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      Japanese alt text:変化に強いエンタープライズモデルへの伴走――変革パートナーとしての視座_写真1 KPMGコンサルティング 執行役員 自動車セクター統轄パートナー 犬飼 仁

      自動車業界は、電動化・ソフトウェア化・自動運転といった技術進展に加え、地政学リスク、規制変化、サプライチェーン再編が同時に進む局面にあります。重要なのは、こうした変化が「一過性の出来事」ではなく、重層的に、そして繰り返し起こり続けるという前提です。この環境で問われるのは、個別テーマへの対症療法ではなく、変化そのものに強い企業構造へとどう進化するかです。

      現状を端的に示す指標として、「第25回 KPMGグローバル自動車業界調査」をみると、「今後5年間で起こり得る変化」を問う設問では、従来型OEM(自動車メーカー)が競争力を取り戻す(69%)と、新興企業が従来OEMに取って代わる(68%)がほぼ同率で並びました。相反するシナリオが同程度に支持されるという事実は、業界の勝者がなお見えにくいことを示しています。

      ただし見方を変えれば、主導権は運や偶然ではなく、環境変化への向き合い方と実行力によって左右されるとも言えます。さらに、変化は「一度きり」ではありません。地政学、規制、技術の変化は形を変えながら繰り返され、商品・サービスのライフサイクル短期化や顧客ニーズの多様化も進みます。継続的な構造変化を前提に、成長戦略を組み立てることが不可欠です。

      この環境では、今見えている課題への対応やギャップ解消だけでは十分とは言えません。必要なのは、「変化が起こり続ける」ことを前提に、企業の構造そのものを合わせていくことです。つまり、「変化そのもの」に強いエンタープライズモデルへの変革が求められます。ポイントは大きく2つです。

      第1に、市場・顧客とのタッチポイント起点で、部門横断を「つなぎ直す」ことです。部門ごとの最適ではなく、顧客体験と価値提供の連鎖が途切れていないかを軸に、業務と意思決定を再設計します。

      第2に、各局面でデータとインサイトに基づき迅速に意思決定することです。現場の事実(データ)から解釈(インサイト)を得て、判断・実行・学習を回し続ける回転力が、変化耐性の中核になります。これらを実現する土台が、企業としてのデジタル実装力であるデジタルケイパビリティです。部門横断で業務とデータをつなぎ、意思決定につながる分析を可能にする力が、エンタープライズモデル変革の前提となります。

      エンタープライズモデルの変革

      Japanese alt text:変化に強いエンタープライズモデルへの伴走――変革パートナーとしての視座_図表2 出所:KPMG作成

      変化に対応するためには、顧客・市場とのタッチポイントから得られるフィードバックを起点に、部門横断で迅速に意思決定し、価値提供までワンストップでつなげるエンタープライズモデルが必要です。

      こうした転換においてKPMGが果たす役割は、単なるツール導入支援ではありません。自動車メーカー・サプライヤーにとっての「変革パートナー」として、デジタルケイパビリティとデータ活用能力の構築を一体的に支援します。重要なのは「何を入れるか」よりも、「企業の構造や意思決定の仕組みをどう変えるか」、そして「そのためにどのデータとケイパビリティを自社の力として持つか」を描き、実行できる状態まで伴走することです。

      自動車業界は改善(Kaizen)に強い一方、構造を変える「変革」は難易度が高いのが特徴です。製品ライフサイクルの長さ、成功体験の大きさ、分業・部門最適の強固さが、横断で価値を大きな再設計する際の制約となります。

      KPMGは戦略・業務・IT・データを分断せず、顧客価値と事業変革を起点に統合して、設計から実行までを支援することで、「変革の仕組み」そのものをともににつくっていきます。

      最後に、こうした変革の先にある価値創造の次のフェーズについて触れます。AIは重要な要素ですが、その目指すべきゴールは「自動車の開発期間を短縮すること」や「プロセスをより効率的に回すこと」だけではありません。自動車製造や自動運転走行の現場で蓄積される膨大なデータと、そこで鍛え上げたAIによって高度な知能を持ち、それを新たな競争軸で活用していくことが本質になっていくのではないでしょうか。自動車を作り、走行させること自体が難易度の高い営みである以上、それを成立させ最適化し続ける知能が獲得できれば、そのAIやデータは自社の改善手段にとどまらず、他産業の生産や運用にも展開し得る能力として外に提供できるようになります。

      競争の軸は「よりよい車を作る」から、「知能で価値を提供し続ける」競争へ移っていく可能性があります。自動車業界の各企業には、製造業の枠を越えて自らの事業を再定義できるかが問われているのです。

       

      KPMGコンサルティング
      執行役員 自動車セクター統轄パートナー
      犬飼 仁

      CASE、脱炭素化、法規制対応など、自動車業界のあらゆる変革を支援します。

      重大な転換期にある自動車業界。25回目となるグローバル調査に日本の消費者調査を加え、今後の展望を多角的に検証しました。

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      KPMGコンサルティング

      戦略策定、組織・人事マネジメント、デジタルトランスフォーメーション、ガバナンス、リスクマネジメントなどの専門知識と豊富な経験から、幅広いコンサルティングサービスを提供しています。

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