AIは、ライフサイエンス分野の科学的なイノベーションと事業運営の両面に変化をもたらしている
KPMGでは、8つの業界を対象にAIの利用に関する広範な調査を実施しました。調査結果によれば、AI導入が進んでいない、あるいは実験段階にある業界と異なり、ライフサイエンス組織では、研究・開発をはじめ、臨床試験やサプライチェーン、コマーシャル活動に至るまで、業務にAIが深く組み込まれています。多くのライフサイエンス組織にとって、AIは単なるツールではなく、業務の中核を担うものとなっているのです。
問題はもはや、AIが価値を創出できるかどうかではなく自らの組織構造を変革し、AIの可能性を最大限引き出せるかどうかなのです。
本レポートでは、先進的なライフサイエンス組織がこの変革をどのように実現しているか、すなわち、どのようにオペレーティングモデルを適応させ、部門間の壁を取り払い、AI主導のアジリティを実現しているかについて詳しく見ていきます。また、イノベーションを加速させ、新たな成長の機会を引き出し、AIへの投資効果を最大限高めるための価値重視型のAI導入アプローチを組織がどのように採用したらよいかについて、実用的なインサイトを紹介しています。
インサイトの概要
将来に期待できる結果が得られた一方で、AIの価値を証明することは依然として難しい
AIを活用した価値創出の推進においては、オペレーティングモデルの適応性が鍵となる
AIを活用して優れたトランスフォーメーションを確実に実現するために、ライフサイエンス企業はどうすればよいか
本レポートは、信頼性の高い調査結果を提供しているだけでなく、イノベーションを加速させ、新たな成長の機会を引き出し、AIへの投資効果を最大限高めるための価値重視型のAI導入アプローチを組織がどのように採用すべきかについて、実用的なインサイトを紹介しています。
また、AIの価値を実現するための3つのフェーズについても解説しています。このフレームワークは、ライフサイエンス組織がAI導入に備えてチームに支援や能力開発の機会を提供し、ワークフローにAIを組み込み、組織全体でAIを活用したエコシステム主導型の企業へと進化させることができるよう支援するものです。
Enable(能力付与)
Enableフェーズでは、AIの基盤を構築します。組織は、責任を担うエグゼクティブを任命し、AI戦略を策定し、価値の高い取組みを特定します。AIリテラシーを向上させ、規制との整合を図り、倫理的ガイドラインを定めます。AIの試験運用が複数の部門にわたって開始される一方で、クラウドプラットフォームと事前にトレーニング済みのモデルが最小限のカスタマイズで実際に活用されます。
Embed(組込み)
Embedフェーズでは、AIをワークフロー、製品、サービス、バリューストリーム、ロボット、およびウェアラブルデバイスに組み込んで、より高い価値を生み出します。経営幹部は、全社的な人員再編、リスキリング、および配置転換を先導し、倫理、信頼、セキュリティに重点を置いて、AIをオペレーティングモデルに組み込みます。エージェント型AIと多様なモデルが、クラウドとレガシー技術の高度化を支えとして導入されると同時に、全社的なデータによってオペレーションが改善されます。
Evolve(進化)
Evolveフェーズでは、ビジネスモデルとエコシステムを変革し、AIと最先端テクノロジー(エージェント型AIやブロックチェーンなど)を使用して業界全体に及ぶ大規模な課題を解決します。AIは、シームレスな価値創出を組織とパートナーの間で調和的に実現します。リアルタイムのセキュリティとともに倫理と信頼にも重点を置いたこのフェーズは、人間の潜在能力を引き上げます。AIは組織の文化に深く根付き、十分なトレーニングを積んで高いスキルを獲得した従業員が、創造的かつ革新的で価値主導の未来を醸成します。
Intelligent life sciences
本レポートは、ライフサイエンス組織におけるAI活用の具体的なブループリントについて、その概要をまとめたものです。AIがもたらす計り知れない価値の実現に向けて、組織が計画を策定する際のヒントを得ることができます。