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      どの企業も、効率化を推進し現代的な働き方をサポートするため、デジタルの変化に対応しなければならないという大きなプレッシャーに直面しており、企業はビジネスの目的を達成するために戦略的な変革イニシアティブへの計画と投資を実行していく必要があります。しかしながら、多くの企業において、変化へ対応しながらも、実際には投資対効果を得られていない意思決定が行われているのが現状です。

      では、適切な意思決定のために、デマンドを効率的に管理するにはどうすればよいでしょうか。戦略的なポートフォリオ全体に対して最大限のROIをどのように確保するのでしょうか。そして、限られたリソースを適切なプロジェクトに割り振るにはどうすればよいでしょうか。

      これらの課題を解決するためには、以下が重要です。

      • プロジェクトの正当性を批判的な側面からも検討する
      • ポートフォリオにおけるシナジーを検討する
      • 利用が停止される資産があるかなど、費用削減の方法を模索する
      • 長期的な取組みよりも短期的な取組みに投資する
      • 遅延を避けるために、正しい順序でプロジェクトを実行する
      • 組織にとって、何に価値があるかを明確に表現し、測定可能にする

      本稿では、より効率的な優先付けの基準を設定し、支出を最大限に活用するのに役立つデマンドマネジメントを改善するための6つのステップについて解説します。また、改善のためのツール例として、ServiceNowの戦略的ポートフォリオ管理(SPM)ソリューションを紹介します。

      1.デマンドマネジメントを改善するための6つのステップ

      (1)戦略的な目標を全員が明確に理解する

      予算編成サイクルにかかわるすべての人が、組織における戦略目標が明確であることを理解する必要があります。そこには、予算を要求した人々とともに、デマンドのリスクを評価できる人が含まれるべきです。そうしなければ、プロジェクトの優先付けに対して、最良の判断をすることができません。

      戦略的価値の把握にはコラボレーションが重要なポイントとなります。ビジネスとIT戦略に関する横断的なチームで目標について合意します。次にこれらの目標に対する潜在的なイニシアティブを紐付け、目標達成までの道のりを明確にし、支出を正当化できるようにします。

      効果的なアプローチは、ロードマップを作成するワークショップを設定することです。戦略の組み合わせについて合意を取るため、競合する優先事項を持つメンバーをチームに集めます。

      まず初めに、戦略目標をリスト化します。そして、時間と労力をかけて優先順位付けを行います。組織にとって最も重要なこと、つまり「やらなければならない」規制プロジェクトであるか、「やるべき」効率性なイニシアティブであるか、もしくは、従業員エクスペリエンスの向上を「可能にする」プロジェクトであるかをチーム内で検討します。

      Ask yourself:

      • 経営幹部レベルで戦略的な優先順位事項を明確にしているか?
      • プロジェクトとESGゴールの整合性は明確か?
      • ビジネスリーダーに優先順位をどのように伝えるべきか検討しているか?
      • PMOの役割は何か。組織の価値を批判的に評価しているか?
      • ビジネスとITの優先順位は一致しているか?

      (2)新規/進行中のプロジェクトからデマンドを明確に把握する

      予算やリソースに関する意思決定を行うには、デマンドに対する明確な全体像も必要となります。それには、新しいリクエストのパイプラインを見ることだけでなく、進行中のプロジェクトと日常業務も把握する必要があります。

      まず、最も優れた価値と最大の効果を提供するプロジェクトのトップ10を定めます。次の点を考慮して自社のプロジェクトのトップ10を特定してください。

      • 何をいつ達成するのか?
      • 戦略的な優先順位に対する共通のビジョンに従っているか?
      • 共通のビジョンが持てない場合、不足要因とその実現に必要なことは何か?また、計画済みプロジェクトではそれらはカバーされているか?
      • 他のイニシアティブでは有効になっているか?

      特定したプロジェクトが、より広範な戦略の観点から成果を上げているかを問い、必要に応じて、一時停止、方向転換、中止といった厳しい決断を行います。

      優先事項を確認するにあたり、ITサービスマネジメントデータを活用することで大きな違いを生み出すことができます。どのインフラが重要かを検討し、緊急の対応が必要なプラットフォームを特定し、重複を排除します。それは投資か停止かを決定するのに役立ちます。理想的には、すべての関連データを1ヵ所で表示するとよいでしょう。しかし、多くの場合、PMOはスプレッドシートの手動更新とその照合に多くの時間を費やしており、考慮すべき値の全量が提供されることは、めったにありません。

      ServiceNowのようなツールを使用して、データ取得プロセスを自動化し、データの透明性を向上させることで、管理上の負荷を軽減できます。これらのソリューションは、強力なレポート機能とシナリオマッピング機能により統合されたデータモデルに接続することで、より良い意思決定を支援します。しかし、そのような場合でも、データを解釈し、サイロを解消するためビジネス側と協力し、統一したビューを作成し、ビジネスおよびIT戦略と足並みを揃える必要があります。

      適切なソリューションを導入すれば、個人の判断ではなくデータに基づく意思決定が可能となります。予算は最良のROIおよび戦略的な目標に適したプロジェクトに投入されます。

      Ask yourself:

      • 新規デマンドと進行中のプロジェクトに関するデータをどのように収集しているか?
      • すべての必要なデータは1つの場所で明確に把握できているか?
      • サイロ化されているか?
      • データに基づく意思決定か?経営層に基づく意思決定か?
      • 現状維持か、それとも改善を優先するか?
      • ポートフォリオのスコープから外れているか?
      • 5年以内に停止されるインフラへ投資する価値があるのかなど、プロジェクトの正当性を批判的に検討しているか?
      • プロジェクトを戦略的な優先順位にどのようにマッピングしているか?(手動/プロセス自動化/何もしていない)

      (3)ポートフォリオ間の依存関係を理解する

      変化は単独では起こらないため、プロジェクトの優先順位を付ける際には、ポートフォリオとの依存関係を考慮する必要があります。「顧客体験が最優先の戦略的な目標です。高いROIを実現するCXプロジェクトを優先します」と掲げるだけでは実行に移せません。プロジェクトを成功させるためには、プロジェクト間の実施優先順位を最初に理解する必要があります。

      優先順位が決められたプロジェクトについて、下記のポイントを考えてみてください。

      • もし他のプロジェクトを先に実施した場合、利益を増やせるか?
      • プロジェクトを正しい順序に進めれば、技術的な複雑性を軽減できるか?
      • プロジェクトの意思決定は批判的な検証も含めて実施できているか?

      他のプロジェクトがより明確な利益をもたらす場合、マスターデータやバックオフィスシステム更新の優先順位を考慮する必要があるかもしれません。

      Ask yourself:

      • ポートフォリオのどの部分の改善が重要か?
      • 投資の優先順位を決める際、依存関係をどのように確認しているか?
      • それぞれのプロジェクトごとに依存関係はどれくらいあり、問題が顕在化するまでの時間は何を意味しているか?
      • 短期的な成功と、数年にわたる戦略的な投資とのバランスは取れているか?
      • ポートフォリオ全体の単一障害点となるプロジェクトはいくつあるか?
      • アーキテクチャのロードマップに沿わず、競合するツールを購入していないか?

      (4)ポートフォリオのなかでリスクバランスを考慮する

      成功の達成指標は、戦略的な整合性や予想される利益だけではありません。プロジェクトを評価する際には、リスクも測定する必要があります。たとえば、複雑なプロジェクトはリスクが増し、より多くの労力が必要となりますが、当初の計画には、コストの上昇が十分に考慮されていないことが多くあります。

      また、導入における複雑さにも考慮する必要があります。特に、業務が関連する部署で一度に多くの業務改善を実施するのは難しいでしょう。同時に多くの業務改善を実施する場合、リスクが増し、新業務の定着には時間がかかり、目標利益の達成が遅れる可能性があります。

      ハイリスクで高い効果を生むプロジェクトと、ローリスクで中程度の効果があるプログラム群を考慮しながら、ポートフォリオ全体のリスクバランスを取るようにします。

      Ask yourself:

      • ポートフォリオにおける技術的な複雑さとは何か?また、中長期にわたってバランスを取ることは可能か?
      • ポートフォリオ内のプロジェクトの規模はどの程度か?
      • ポートフォリオの同一セグメントで同時にいくつのプロジェクトを進めているか?
      • 通常時のビジネスの影響は何か?また、どれくらいのユーザーが影響を受けるか?
      • 現時点のリスクをどのように測定するか?

      (5)異なるシナリオをモデル化する

      上記の質問に答えることで、投資支出するためのより確実な基準が得られるはずです。これにより、予算に合う適切なロードマップが作成されます。

      しかし、多くの企業にとって、選択した基準に基づいてシナリオをモデル化することは理に適っています。異なる要素(コスト、利益、リスクなど)に重点を置き、異なるロードマップごとに、ビジネスと投資効果への影響を考慮することが求められます。

      ServiceNowのようなツールは、ロードマップとシナリオプランニングを標準機能として提供します。つまり、個別のソフトウェアでロードマップを作成していた分析に比べ、ServiceNowのようなツールを利用することで、より価値がある意思決定ができると言えます。

      関連データを取得し、基準を適用すると、PMOはシナリオを動的に調査できるようになります。コスト削減を優先する場合は、設定した予算内で最大の利益をもたらすプロジェクトを特定できます。戦略的な優先順位に沿って支出のバランスを取ることが優先される場合は、それぞれに同じウェイトを与え、それに従って支出を分割することができます。プロジェクトへの投資をする場合、利益最大化に向けたリスクなどの要因をリスト化します。

      それでも、制約のための調整が必要となるかもしれません。その場合は、要求に従って、リクエストした投資で何が達成できるか確認してください。主要な利益は1年以内に達成されるか、対象範囲を複数年に拡大・縮小することは可能かも検討してください。

      Ask yourself:

      • リクエストした予算の半分で何ができるか?
      • 管理コストを削減するために、類似のプロジェクトを統合できるか?
      • より全体的な利益のために、ポートフォリオ全体で相乗効果があるか?
      • 正当化されないプロジェクトはあるか?
      • 複数年プロジェクトとしてサードパーティにコミットされた投資はあるか?
      • チェンジマネジメント、トレーニング、および運用コストを考慮した場合、推定コストは実際のフルコストになっているか?

      (6)稟議処理のための明確なプロセスを構築する

      すべての組織は独自の承認プロセスを持ちます。通常は、取締役会において戦略を承認する必要があります。また、アーキテクチャチームやセキュリティチーム、その他の主要な関係者からの事前承認が必要になる場合もあります。投資の規模に応じて、CIOまたは取締役会から承認を得る必要があります。PMOはCIOから提示された最終的な推奨ポートフォリオ割り当てに基づき、稟議申請を行います。

      プロセス全体が詳細で時間がかかることを考えると、最終承認は比較的短期間で実施すべきです。
      ポートフォリオ管理ツールは、承認ワークフローによって承認プロセスを効率化できます。たとえば、ServiceNowを使用すると、承認者は、推奨シナリオや却下されたシナリオなど、さまざまなシナリオを複数のビューに表示して、決定の根拠を示すことができます。これにより、PMOは資料作成や事前承認の照合の時間を節約できます。

      ポートフォリオ上のデマンドに対する支出を、不明確なプロセスで行わないためにどのように管理すべきでしょうか。リクエストを提出したチームが、進捗について常にアップデートされた状態でいることが重要です。最善のアプローチは、プロセスに参加してもらうことです。たとえば、関連するリーダー達と個別にファシリテーション形式のセッションを開催して、ロードマップの優先順位付けと合意形成を行います。

      PMOはプロセスの概要を示し、不満や妨害を避けるため、事前にすべての関連データを要求する必要があります。明確で透明性があり、期待を設定し、利害関係者をプロセスに関与させ続けることは、結果として提案を受け入れさせることを意味します。プロセスに課題がある場合は、堅牢であると示すことができます。

      Ask yourself:

      • プロセスは文書化されているか?
      • 明確な期待とスケジュールは設定されているか?
      • 影響を受けにくいチャレンジの選択肢はあるか?
      • 承認時間を短縮するために、承認者にどのように関与してもらうべきか?
      • 承認管理は手動か?

      2.戦略的ポートフォリオ管理(SPM)チェックリスト

      戦略的イニシアティブへの投資に優先順位付けを可能とするためには、組織の目標、ポートフォリオ全体の依存関係(どのプロジェクトが何を可能にするか)、投資を最大限に活用する方法を理解することです。

      【戦略的投資へのプライオリティを高めるための改善チェックリスト】
      • ポートフォリオにおいて、明確で戦略的な優先順位を持つ
      • プロジェクトオーナーやPMOと、優先順位について明確にコミュニケーションする
      • 新しい需要や進行中のプロジェクトを管理するために必要なすべてのデータを収集する
      • 戦略策定に、ITサービスマネジメントデータを収集する
      • プロジェクトの複雑さとリスクを評価し、デマンドを管理する際にそれらを考慮する
      • 導入の複雑さを測定し、デマンドを管理する際に考慮する
      • プロジェクトの要求を戦略的な優先事項にマップするための堅牢なプロセスがある
      • 戦略目標を実現するプロジェクトに優先順位を付けている
      • 必要なデータを1つの場所で表示する
      • 異なるプロジェクトとより広範なビジネスとの依存関係を理解している
      • ビジネスの各領域で実行されているプロジェクトの数と、通常のビジネスへの影響を明確に把握する
      • 利益を最大化し、支出を削減するための想定されるシナジー効果について、ポートフォリオを批判的に評価する

      3.KPMGのServiceNowのSPMソリューション導入支援

      ServiceNowのSPMソリューションは、IT投資構想からリリースまで、ポートフォリオのライフサイクル全体を ServiceNowで管理することで、より的確な意志決定と、より効果的な業務遂行を実現するソリューションです。

      KPMGは人材、プロセス、およびテクノロジーを接続し、ServiceNowの力を活用して人材のスキルアップを支援します。クライアントの既存の課題を理解し、状況をKPMGのリファレンスモデルと比較することで、解決策に焦点を絞り、目標を合意できるようにします。また、ポートフォリオの支出に関する意思決定を改善するために、新しいデータセットから洞察を引き出す方法を提案します。

      【ServiceNow SPMソリューションの特長】

      設定可能なプラットフォームをインターフェースとして準備

      組織では通常、複雑なSPMアーキテクチャを使用しており、ツールの断片化やデータによって意思決定が損なわれています。ServiceNowのSPMは、完全な透明性を提供する統合データモデルを提供します。

      戦略的整合性

      ServiceNowを使用すると、優先事項に投資することで支出を削減できます。これらは需要段階で事前に設定され、成果はライフサイクルの残りの期間を通じて継続的な評価プロセスでこれらの優先度に対して測定されます。

      プロセス間のスピードアップ

      ServiceNowは、デマンド管理から実行へのシームレスな移行により、企業全体の変更を接続することで、デリバリーを加速します。一元化された一貫性のある配信方法と効果的なリソース割り当てにより、遅延を減らします。

      ※本稿は、KPMG英国が2023年に発表した「How to improve demand
      management and reduce capital spend」を翻訳したものです。翻訳と英語原文に齟齬がある場合には、英語原文が優先するものとします。

      全文はこちらから(英文)
      How to improve demand management and reduce capital spend


      KPMGコンサルティング

      戦略策定、組織・人事マネジメント、デジタルトランスフォーメーション、ガバナンス、リスクマネジメントなどの専門知識と豊富な経験から、幅広いコンサルティングサービスを提供しています。

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