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      テレコム市場の動向とM&Aを巡る動き

      テレコム市場の動向は目まぐるしく変化しています。行政主導で進められた携帯料金値下げや5G関連投資による収益圧迫が課題となる中、各社はビジネスを多様化し、高収益化のための策を模索しています。通信事業者、端末事業者、携帯用通信機器販売事業者などの競争が激化し、相互が入り乱れる形での再編が行われています。技術革新が進むテレコム業界では、今後、新技術を獲得するためのM&Aは増加すると見込まれます。

      M&Aにおける日本企業の課題

      テレコム業界における企業にとって、競争力を発揮し差別化を図るためには、さらなるM&Aの活用が必須になります。ただし、M&A巧者のグローバル企業と比較すると、テレコム企業を含む多くの日本企業はM&Aへの取組みにおいて、未だ多くの課題を抱えていることも事実です。

      日本企業においては、平時のリスクマネジメントの中でも常に新たなリスクを認識・評価し、管理対象として適切なマネジメントを行う体制が、インテリジェンス機能が備わっている欧米企業に比べると弱く、これがM&A(有事)におけるリスク対応が十分にされない要因といえます。

      テレコム企業がM&A実行において特に注意すべき新たなリスク

      企業を取巻く環境はこれまでにないスピードで変化し、企業が晒されるリスクも変化し続けています。今後、テレコム企業がさらに競争力を高め、継続的な成長・企業価値の向上を目指すために、M&Aを積極的に活用するにあたっては、社会的責任投資(SRI)を実行するため、不正等のリスクや新たなリスクについても、M&A実行時に慎重に検討する必要があります。さらに、M&A実行時に認識したリスクについては、PMIにおいて確実に対応し、M&A実行の利益を享受できる基盤を構築することが重要です。

      昨今、テレコム企業にとって特に留意が必要な関連性が高いと考えられるリスクについては、以下が挙げられます。

      1. 経済制裁リスク
      2. サイバーセキュリティ・データセキュリティ・データプライバシー
      3. オペレーショナルレジリエンスリスク
      4. 環境リスク
      5. 人権侵害リスク
      6. サードパーティーリスク

      M&Aを活用し継続的に成長するために

      テレコム業界では、人材確保のための重要な手段としてM&Aを活用することが不可欠と見られ、さらに加速する技術革新のスピードに伴う人材確保の重要性の高まりから、獲得競争は激化すると考えられます。そのため、M&Aの検討についても迅速かつ確実に重要なリスクを把握し・適切なフェーズで対処することが、M&Aを成功させることが、今まで以上に重要になってきます。

      迅速かつ確実にM&Aを実行するための仕組み、さらにPMIにおいて確実にグループ企業として利益を創出・享受し管理していくための施策を講じる仕組み・体制の構築が、非常に重要になります。

      1. M&Aガイドライン・PMIガイドラインの整備・運用
      2. グローバルに通用するグループ経営管理体制への見直しと高度化
      3. グループ会社の経営人材の確保・育成
      4. 統一・標準化した管理インフラの整備とデータ活用型モニタリングの導入
      5. 社会的責任投資の確実な実行のための新たなデューデリジェンスの実施

      執筆者

      KPMGジャパン テクノロジー・メディア・通信セクター 
      通信セクター統轄リーダー ディレクター 石原 剛

      KPMG FAS
      フォレンジック リスクマネジメント・不正予防担当
      ディレクター 肥田 小織
       

      肥田 小織

      KPMG Forensic & Risk Advisory ディレクター

      KPMG Forensic & Risk Advisory