昨今の欧州の取組みについて見ていきたいと思います。
欧州における循環型経済実現に向けた取組みは、ビジネスのバリューチェーン全体をカバーし、資金支援も含めたより包括的な内容となっています。
欧州委員会は、2015年12月に「競争カ・雇用創出・持続可能な成長の実現の加速に向けた野心的な新政策」と題して「サーキュラーエコノミー・パッケージ(Circular Economy Package)」を採択しました。具体的には、2030年までに都市廃棄物の65%、包装廃棄物の75%をリサイクルし、全種類の埋め立て廃棄物を最大10%削減するというものです。さらに、分別回収された廃棄物の埋め立て処分の禁止、埋め立て処分を抑制する経済的施策も促進しています。特に包装、電池、電気・電子機器、自動車などの分野では、市場に環境配慮型製品を送り出し、再資源化や資源回収の流れをサポートする製造者に対して、経済的インセンティブを与えるという試みも行われています。これらの施策を支える資金としては、欧州構造化基金 (ESIF)から5.5億ユーロ、EUの研究開発・イノベーション促進プログラム「Horizen2020」から6.5億ユーロの支援等が盛り込まれています。
2018年1月には、「循環型経済における欧州プラスチック戦略( European Strategy for Plastics in the Circular Economy)」を採択、2019年12月11日には、EUの新たな経済・環境・社会政策である「欧州グリーンディール (The European Green Dea|)」を、続く2020年3月11日には、グリーンディールの行動計画の柱となる「循環型経済行動計画 (Circular Economy Action Plan)」を採択しています。新しい行動計画では製品とデザインに重点を置き、消費者の「Right to Repair(修理する権利)」を強化することで、EU域内の循環型経済への移行を加速させています。
この政策的な流れを受けて、欧州内の企業は、素材・化学メーカー、消費財メーカー、耐久財メーカー各社が循環型経済におけるビジネスモデルを他国・地域に先んじて目指しています(図表1参照)。