目次
1.直近のIPOの状況
2.IPO市場の概況
東証スタンダードに1社、東証グロースに2社の合計3社が新規上場しました。
7月22日に東証グロース市場へ上場したティアフォーは、自動運転ソフトウェア「Autoware」を技術基盤とする自動運転システムを開発・提供しています。大手自動車メーカーとOEMパートナーとの協業を通じて、国内で数多くの実証実験を実施し、自動運転の社会実装を推進しています。主な売上高は、交通事業者向けに自動運転車両を提供するモビリティサービス、自動運転システムの開発支援を行うデベロップメントサービス、企業や研究機関向けにツール・サービスの提供を行うソリューションサービスの3つで構成されています。今後は、自動運転車両の量産化に伴うソフトウェアライセンス収入や継続課金型収益の拡大に加え、深刻化するドライバー不足を背景とした市場拡大も期待されています。また、同社は上場承認前に募集条件を開示するS-1方式を採用した本邦2例目のIPOを果たしました。こちらの初値は公募価格を約7.0%下回りました。
7月29日に東証スタンダード市場へ上場したビーエイブルは、原子力発電所の建設・保守・廃炉工事を主力事業とし、再生可能エネルギー事業やロボット開発事業も展開しています。特に福島第一原子力発電所の廃炉関連工事において豊富な実績を有し、遠隔操作ロボットを活用した高難度作業への対応力を強みとしています。今後は原子力発電所の再稼働や廃炉需要の拡大を背景に、安定した受注環境が見込まれています。上場時に発表した2026年7月期の業績計画では、売上高97.8億円(前期比8.9%増)、経常利益11.1億円(同69.1%増)を見込んでおり、収益性の改善も期待されています。こちらの初値は公募価格を約45.1%上回りました。
7月29日に東証グロース市場へ上場したアイ・グリッド・ソリューションズは、企業向け太陽光発電設備の開発・運営や、再生可能エネルギーの流通を支援するエネルギープラットフォーム事業を展開しています。商業施設などの屋根上に太陽光発電設備を設置し、発電した電力を施設内で利用するオンサイトソーラーを主力としています。顧客企業は初期投資不要で再生可能エネルギーを導入できるほか、余剰電力を他拠点へ融通する独自のエネルギープラットフォームを強みとしています。2026年3月末時点のオンサイトソーラー開発実績は1,461施設・390MWに達しています。脱炭素化や電力コスト削減に対する企業ニーズの高まりを背景に導入先は拡大し、今後は太陽光発電、蓄電池、EVなどを組み合わせたエネルギーマネジメント事業の成長も期待されています。こちらの初値は公募価格を約23.8%上回りました。
3.市場別IPO社数(年初からの上場承認公表ベース)
4.初値騰落率(平均)の推移(直近2年間の四半期ベース)
以上
執筆者
あずさ監査法人
グロース・サポート事業部
マネジャー 古口 長一郎