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      1.移転価格文書に記載すべき項目の明文化

      移転価格文書(ローカルファイル)に含めるべき内容が、以下の通り明文化されました。

      • 会社のビジネスモデル、経営陣の構成、組織図及び従業員数、重要な取引先(顧客・サプライヤー)および競合他社、事業戦略及び経済環境
      • 資本関係図
      • 関連会社間での事業再編の有無、その概要及びその影響
      • 関連会社間での重要な無形資産の移転の有無、その概要及びその影響
      • 関連会社間取引にかかる情報(取引の概要、金額、取引相手及びその所在国)
      • 各関連会社間取引の価格設定方針及び価格設定において使用する前提条件(重要でない関連者間取引は除く)
      • 関連会社間契約に記載されている取引条件や価格などの重要な情報の要約
      • グループ内における会社の機能、リスク及び資産分析
      • 価格設定に使用する損益情報(単体財務諸表やセグメント損益、コストプラスの場合の標準原価、実際原価、人件費など)
      • 各関連者間取引に適用する移転価格算定方法の選定理由及びその取引相手
      • 経済分析(利益水準指標、独立企業間レンジ、比較対象企業の選定過程ならびに情報ソース)(いわゆる「ベンチマーク分析」)
      • その他税務調査官が求める必要な情報

      なお、これまで移転価格文書(ローカルファイル)及びその関連資料の使用言語は定められていませんでしたが、本通達ではタイ語で作成することを要求しています。


      2.ベンチマーク分析の免除

      以下の(1)に該当する納税者並びに(2)に該当する取引については移転価格文書(ローカルファイル)にて実施すべき経済分析(ベンチマーク分析)が免除されます。

      (1)以下の要件をすべて満たす納税者

      • その会計期間における収益の額が5億バーツ以下であること
      • 法人税率が異なる国内関連者(例:BOI投資奨励による法人税の免除が適用される国内関連会社)との取引がないこと
      • 国外関連者との取引がないこと
      • その会計期間において繰越欠損金を使用していないこと、かつ、関連者間取引の相手先も同様であること

      (2)事前確認制度(APA)の対象取引または二国間の租税条約の枠組みの中で合意を得ている


      まとめ

      今回の歳入局通達にて定められた移転価格文書(ローカルファイル)に記載すべき項目のほとんどは、OECDの「BEPS行動計画13:多国籍企業の企業情報の文書化」に準拠した内容となっているため、移転価格文書に記載する内容はこれまでの実務と大きく異なることはないと考えられますが、今後もOECDの移転価格原則に即した改正が行われることによって、より各関連会社間取引の利益率に着目した移転価格調査に移行していくことが考えられます。また、これまで移転価格文書の使用言語は定められていませんでしたが、今後は英語の文書に加えてタイ語の文書(もしくはタイ語のみ)が必要になりそうです。

      ベンチマーク分析の免除の要件が設けられたことは納税者にとってメリットがありますが、事前確認制度(APA)を利用している会社を除いて、日系企業に当てはまるケースはほとんどないと思われます。

      タイ/ラオス/ミャンマー

      日本人専門家を中心に日系企業担当チームを編成し、様々なサービスラインにおいて横断的なサポートを提供しています。
      タイ