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      一方で、機関投資家は資本生産性を評価するに当たってP/LのみならずB/Sについても着目しています。しかしながら、B/Sの活用方針について企業から納得感のある説明が得られるケースが少ないと感じているようです。

      B/Sの活用方針について説明することは自社の考える最適資本構成についての方針を発信することと同義です。最適資本構成について、ファイナンス理論上の解はありますが、実務において適正な有利子負債と自己資本のバランスを決定するのは容易ではありません。

      本稿では実務の観点からみた最適資本構成に向けたアプローチを整理するとともに、その中核となる格付戦略について解説します。


      ポイント

      • ファイナンス理論上の最適資本構成を実務に適用するのは困難が伴う。現実的に有利子負債の調達額と金利コストは格付によって左右されるという事実を踏まえると、最適資本構成のアプローチにおいて格付戦略をどう考えるかが最も重要である。
      • 格付の考え方は日系と外資系格付機関とで、特に財務健全性(自己資本比率)やフリーキャッシュフローの位置づけなどで異なる傾向がみられる。
      • 維持したい格付水準とDebt Capacity(有利子負債の調達許容額)をベースに事業リスクや投資家の要求リターンを総合的に検証し、最適資本構成についての説明力を高めることが市場からの信認獲得と資本コストの低減に繋がる。

      内容

      1. B/Sの活用方針に対する説明力の不足
        1. 資本生産性向上において重視する取組み
        2. 自己資本の水準と手元資金水準の妥当性
        3. 最適資本構成についての説明力
      2. 最適資本構成の理論とアプローチ方法
        1. 理論としての最適資本構成
        2. 最適資本構成に向けたアプローチ方法
      3. 格付メソドロジーを用いたアプローチ
        1. 格付のメソドロジー
        2. 日系と外資系の着眼点の違い
        3. Debt Capacityの試算
      4. 格付戦略を核とした最適資本構成の追求
      土屋 大輔

      KPMGサステナブルバリューサービス・ジャパン/有限責任 あずさ監査法人 サステナブルバリュー統轄事業部/アドバイザリー統轄事業部/サステナビリティトランスフォーメーション パートナー

      あずさ監査法人


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      最適資本構成の追求と格付戦略~財務戦略の高度化に向けて~

      KPMG Insight Vol.26

      執筆者

      有限責任 あずさ監査法人
      アドバイザリー本部 グローバル財務マネジメント
      ディレクター 土屋 大輔

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