2025年1月に適用が開始された「グローバル内部監査基準™」は、内部監査への取締役会の関与度合いの強化やテクノロジー活用の明文化など、 2017年公表の「内部監査の専門的実施の国際基準」(以下、2017年版IIA基準)よりも具体的な規定となりました。
KPMGは基準の適合性に加え、蓄積されたリーディングプラクティスを基に外部評価を実施し、内部監査品質の保証と有効性向上に向けて支援します。
グローバル内部監査基準™の適用上の課題と外部評価の有用性
企業において、グローバル内部監査基準™への適合性の確認、適合に向けた改善等が行われると考えられます。しかし、2017年版IIA基準と比較した場合のグローバル内部監査基準™の要求の高さから、適用にはいくつかの課題が考えられ、それらの克服には外部評価が有効な場合があります。代表例を以下に示します。
【取締役会の関与度合い】
2017年版IIA基準とグローバル内部監査基準™の比較(例) | グローバル内部監査基準™を適用する場合の課題等 | グローバル内部監査基準™に基づく外部評価の有用性 | |
2017年版 |
外部評価における内部監査部門長への要求事項について、「内部監査部門長は、その形式と頻度について取締役会と話し合わなければならない」としていた。 |
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グローバル 内部監査基準™ |
取締役会の必須事項として「(取締役会は)外部評価の実施に関する計画をレビューし、承認する」、その承認には「評価の範囲と頻度」に加え、「外部評価者又は評価チームの専門的能力及び独立性」なども対象とすることを要求している。 |
【テクノロジーの活用】
2017年版IIA基準とグローバル内部監査基準™ の比較(例) |
グローバル内部監査基準™を適用する場合の課題等 | グローバル内部監査基準™に基づく外部評価の有用性 | |
2017年版 |
内部監査に用いられるテクノロジーは、「内部監査の資源」のなかに含めて規定されていたと想定される。 |
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グローバル 内部監査基準™ |
「テクノロジー」という用語を用いて、「内部監査のプロセスを支えるテクノロジーを有していることを確実なものとするように努める」ことや「テクノロジーを定期的に評価し、有効性と効率性を向上させる機会を追求する」ことを要求している。 |
品質評価の流れ
評価は、ステークホルダーへのインタビューおよび、規程・マニュアル類をはじめとした実際の内部監査で作成している監査計画、監査調書・報告書等のレビューを通して実施します。改善提言を含むKPMGの報告内容は、支援先との協議および合意に基づき最終化を図ります。
KPMGの外部評価の特徴
KPMGは、内部監査が取締役会・経営層・被監査部門等のステークホルダーにとって有意義な存在である必要があると考えます。そのためには、グローバル内部監査基準™に適合していることはもとより、取締役会・経営層に経営判断のための示唆を与え、被監査部門による内部統制の本質的な改善を支援するなど、自社の経営管理体制の改善・高度化に向けた貢献ができているかがカギとなります。
KPMGの外部評価は、グローバル内部監査基準™の適合性の観点に加え、これまで外部評価を提供するなかで蓄積してきた実務上のリーディングプラクティスに基づく観点も含めて実施します。
さらに、通常の外部評価に加えて以下の内容を実施することも可能です。支援先の状況に応じた、より踏み込んだ示唆を提示します。
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※図表【取締役会の関与度合い】および【テクノロジーの活用】出典:日本内部監査協会「グローバル内部監査基準™ 」を基にKPMGにて作成