近年、企業を取り巻く外部環境はますます厳しくなっています。国家が絡む経済安全保障・地政学リスクに加え、気候変動、人権、汚職等の腐敗リスク、エネルギー、災害といった多方面のリスクへの対応を並行して行うことが求められています。企業のグローバル展開によってサプライチェーンも複雑化しており、自社に関連するリスクの特定や可視化に悩みを抱える企業も少なくありません。

KPMGは、独自に開発したツールを用いて、企業の複雑な課題解決を支援します。

サプライチェーンリスク分析ツールの特徴

サプライチェーンリスク分析ツールは、KPMGコンサルティングとデータ分析を専門とするKPMGアドバイザリーライトハウスが共同開発した、KPMG独自のリスク分析ツールです。

本ツールの機能は大きく分けて3つあり、製品・部品の調達データ(一次情報)を用いて下記のようなサプライチェーン上の課題に対してリスクを可視化します。

【サプライチェーンリスク分析ツールの機能】

(1)重要部品の特定
(2)サプライチェーンネットワークのマッピング機能
(3)複数の指標による多角的なリスク分析

(1)重要部品の特定

サプライチェーン上のさまざまなリスクが顕在化して調達が途絶した際に、事業継続に多大な影響を及ぼす可能性がある部品や資材を分析・整理できていないケースが散見されます。

本ツールでは、特定の国・地域や特定の調達先に依存しているといった各種条件を満たした品目を「重要部品」として特定します。特にリスクが高い項目は「要対応」と表示されるため、調達先の多元化などを検討すべき高リスク品目を洗い出すのに役立ちます。

(2)サプライチェーンネットワークのマッピング機能

本ツールは、製品・部品ごとのサプライチェーンを地図上に図示して全体像の直感的な把握を可能にします。また、調達量などのデータと突合することで各国・地域ごとの調達依存度も可視化することができます。本ツールを用いることで、地理的な観点から自社のサプライチェーン上のチョークポイントを視覚的に把握することができます。

(3)複数の指標による多角的なリスク分析

本ツールでは、経済安全保障・地政学、人権などの各種マクロ指標と連動したリスク指標を用いてサプライチェーン上のリスクを評価し、自社の課題を析出することができます。自社の事業ポートフォリオやサプライチェーンのセットアップに応じて分析項目をカスタマイズすることで、分析の精度を高めることができます。

【サプライチェーンに関するリスク例】

  • 経済安全保障・地政学リスク:戦争、内乱、政変など
  • 人権リスク:強制労働や児童労働、長時間労働など
  • 自然災害リスク:地震、台風・豪雨、火山噴火など
  • 腐敗リスク:贈収賄、キックバック、不正会計など

サプライチェーン領域におけるKPMGの総合的な支援

本ツールで明らかになった課題や対応すべき項目に対しては、KPMGの専門チームが支援にあたります。

KPMGには、経済安全保障・地政学やサステナビリティ関連領域での豊富な支援実績があります。経済安全保障・地政学リスク管理体制の構築支援やサプライチェーン再構築支援、サステナブル調達の体制構築・運用支援、紛争や自然災害を想定した事業継続計画(BCP)策定など、課題に合わせて専門のチームを組成し解決をサポートします。

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