DX税制の改正とその影響について
2022年度末が期限だったデジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制が、「2023年度税制改正大綱」の閣議決定により、2024年度末まで延長されることが決定されました。これを受けて、日本企業におけるDX推進がますます加速し、取り組む企業が増加することが期待されています。
KPMGは、ビジネストランスフォーメーション(事業変革)、テクノロジーの活用、リスク&コンプライアンスの支援における豊富な知識や支援経験をもとに、DX投資促進税制の認定要件や改訂内容等を踏まえ、企業におけるDX推進およびDXへの取組みにおいて発生・変化する「デジタルリスク」への対応を支援します。
「DX投資促進税制」の概要と延長の目的
DX投資促進税制とは、産業競争力強化法に基づき、日本企業のDX推進を後押しする税制度です。
制度概要 |
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制定の経緯 |
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期限 |
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出典:経済産業省の資料を基にKPMG作成
DX投資促進税制の延長は、企業がDX推進において課題となっているデジタル人材の育成・確保に取り組むとともに、成長性の高い海外市場の獲得を含めた売上上昇につながる「攻め」のデジタル投資に踏み切ることを後押しすることを目的としています。
「DX投資促進増税」の改訂ポイント
上記の目的に沿って、DX投資促進増税の適用要件が改正され、「デジタル人材の育成・確保」と「成長性の高い海外市場の獲得」といった要素が追加されています。「DX投資促進税制」の大きな改正ポイントは以下のとおりです。
- 認定期限が2022年度末から2024年度末まで延長
- 認定要件「デジタル(D)要件」にデジタル人材の育成・確保を追加
- 認定要件「企業変革(X)要件」の1つが「商品の製造原価の削減」から「成長性の高い海外市場の獲得を図ること」に変更
これにより、税制度の適用を検討している企業では、新しい適用要件を満たすための取組みが必要とされます。
【「DX投資促進税制」認定要件の変更】
企業に求められる取組み
DX投資促進税制の適用を目指す企業は、認定要件を踏まえ、データ連携・クラウド技術の活用・DX認定の取得等に取り組むことが求められます。企業がDXを推進するにあたっては、非常に広範囲かつ多様なリスクについて検討し対応することが必要となりますが、実際にはリスク対応が順調ではない企業や、リスクが顕在化してしまった企業も存在します。
【DX推進に伴うリスク(例)】
KPMGは、DX推進およびリスク管理に関する幅広い知識と支援経験をもとに、デジタルガバナンス診断・評価支援、デジタルガバナンス戦略策定支援、デジタルガバナンス体制強化支援などを通して企業におけるDX推進およびDXへの取組みにおいて発生・変化する「デジタルリスク」への対応を支援します。