企業が目指すDXを明確にするとともに、デジタルガバナンス診断・評価により特定された課題を効果的に解決するために、組織横断的な視点からデジタルガバナンス戦略を策定し、組織全体に周知します。

KPMGは、豊富な知識や支援経験を基に、組織におけるデジタルガバナンス戦略を中長期および短期の両視点から策定するとともに、デジタル戦略と整合した「目指す姿」と「到達に向けた段階的なステップ」を計画します。

デジタルガバナンスにおける戦略策定

デジタルガバナンス診断・評価により企業が目指すDXと現在の対応状況とのギャップ・課題を特定したのち、課題解決に効果的に取り組むための戦略を策定します。診断・評価により多くの課題が特定された場合、優先的に取り組むべき課題が整理できていないケースや、目の前の課題対応だけに追われてしまうケースが見られます。課題を解決するためには、組織横断的な視点から中長期的に時間をかけて取り組むべきことと、すでに顕在化しているリスクを解決するために短期的に取り組むべきことの両観点から、戦略を検討・策定することが重要です。

また、デジタルガバナンス戦略策定後、戦略と各部門の取組みが整合しないケースや、各部門で重複する取組みが行われ無駄や不整合が発生するケースもあります。戦略と整合した取組みを各部門で実現するため、また非効率が起こることを避けるために、策定したデジタルガバナンス戦略を組織全体に周知する取組みが重要です。

デジタルガバナンスに関する課題と対応(例)

「戦略」「制度」「業務」の各レイヤーから、デジタルガバナンスに関する課題への対応方針を検討し、デジタルガバナンス戦略としてまとめます。

レイヤー 領域 課題例 対応例 想定対応期間
戦略レイヤー 予算 DX推進のための予算が不明瞭で、他の施策に影響されて必要な施策が実行できない DX推進に係る予算を明確化し、デジタルリスクへの対応を含む予算の再検討をする 短期
制度レイヤー 組織 DX推進組織の役割や責任が曖昧で、事業部門やシステム部門の連携を推進できない DX戦略を推進するための関連部署の役割・責任を定義し、各関連部署へ対応実施の指示・周知を行う 短期~中長期
ポリシー DX導入後も運用状況の確認が行われず、ポリシーをどのように更新すればよいかわからない デジタルガバナンスに関する既存ポリシーの担当を明確化し、各種ポリシーの見直し・強化を実施する 短期~中長期
業務レイヤー テクノロジー レガシーシステムが残存し、維持のためのコスト・人材を圧迫する DX戦略の実現に適したシステムを選定し、新しいシステムを利用した業務プロセスを再設計する 中長期
データ 利用したいデータの存在場所の不明や品質の低さ等により、有意な解析や将来予測につなげることができない データプロファイリングによる現状調査を実施するとともに、法規制に基づく管理・利用ルールを明確化する 中長期

デジタルガバナンス戦略策定支援

デジタルガバナンス戦略の策定・周知ステップ(例)を以下に示します。
KPMGは各ステップにおける活動を支援します。

デジタルガバナンス戦略策定支援_図表1

ステップ1
経営戦略の確認:現在の組織の経営戦略を確認し、目指す姿や取組方針を確認します。

ステップ2
デジタルガバナンス戦略の策定:「デジタルガバナンス診断・評価」により特定されたデジタルリスク※を含む中長期および短期のデジタルガバナンス戦略を検討・策定します。
※デジタルリスクの詳細は、デジタルガバナンス診断・評価支援の「デジタルリスクの特徴」をご参照ください。

ステップ3
デジタルガバナンス戦略の周知策の検討:既存の取組みを確認のうえ、今後のデジタルガバナンス戦略の周知策や説明方法を検討します。

ステップ4
周知・説明の実施:検討した周知策・説明方法に基づき、デジタルガバナンス戦略を周知し組織で共有します。

ステップ5
各部門の計画策定:デジタルガバナンス戦略と部門の取組みの整合を確認しながら、各部門のDX計画を策定します。

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