KPMGジャパン、「Venture Pulse（ベンチャーキャピタル投資レポート、2023年第4四半期）日本語抄訳版 」を発表

• 2023年第4四半期の世界の取引件数は2016年第3四半期以来の水準にまで低下
• 南北アメリカでの投資は比較的安定するも、欧州、アジア太平洋地域で大きな落ち込み
• 日本での投資額は2023年第1四半期から4期連続の伸びを見せ、堅調な動き

KPMGジャパン（共同チェアマン：山田 裕行、知野 雅彦）は、世界のベンチャーキャピタルによる投資の動向に焦点を当てた報告書「Venture Pulse（ベンチャー・パルス）2023年第4四半期 日本語抄訳版」を発表しました。

世界のベンチャーキャピタル投資は、ウクライナや中東での紛争、高金利とインフレを含む地政学、マクロ経済での課題、またイグジット環境、スタートアップのバリュエーションへの継続的な懸念を抱える環境下において、2023年の取引額・取引件数はともに減少しました（2022年：5,314億米ドル・51,894件、2023年：3,440億米ドル・37,808件）。2023年第4四半期（2023年10～12月）はベンチャーキャピタル市場にとって特に低調な結果となり、全世界での投資は7,572件の取引・749億米ドルにまで減少し、それぞれ2019年第2四半期と2016年第3四半期以来の低水準となりました。中でも欧州は2023年第３四半期の180億米ドルから第4四半期は138億米ドルへと急激に減少し、アジア太平洋地域においても188億米ドルと大きな落ち込みを見せ、2017年第1四半期以来の低水準となりました。

海外の主要国が低調に推移する一方で、日本市場でのベンチャーキャピタルによる投資額は2023年第1四半期から4期連続での成長を見せ、2023年第４四半期には12.7億米ドル（前年同期比58％増）を記録するなど堅調な動きを見せています。理由として日本の株式市場での33年ぶりの高値記録、日本政府によるベンチャーキャピタルエコシステムへの継続的支援が挙げられ、海外の投資家からの注目も高まっています。

• 世界のベンチャーキャピタル投資額は2022年の5,314億米ドルから2023年には3,440億米ドルにまで減少し、2019年以来の低水準を記録。
• 世界のベンチャーキャピタル取引件数は、同期間で51,894件から37,808件に減少。
• 世界のコーポレートベンチャーキャピタル投資額は、同期間で2,696億米ドルから1,724億米ドルとなり、すべての地域（南北アメリカ：967億米ドル、アジア太平洋地域：440米億米ドル、欧州：282億米ドル）において減少が見られた。
• 世界のイグジット金額は、同期間で3,206億米ドルから2,247億米ドルに減少。
• 同期間で、すべての地域でシリーズB、C、D+の取引規模の中央値が減少。
• ユニコーンへのベンチャーキャピタルの投資額は、同期間で1,398億米ドルから845億米ドルへと6年ぶりに低水準に落ち込んだ。

• 世界の投資額は、2023年第3四半期の854億米ドル（8,919件）から第4四半期には749億米ドル（7,572件）に減少。
• 南北アメリカでは、同期間で429億米ドルから401億米ドルにわずかに減少。
• 欧州では、同期間で180億米ドルから138億米ドルに減少。
• アジア太平洋地域では、同期間で236億米ドルから188億米ドルに減少し、2017年第1四半期以来の低水準となった。
• 日本では、同期間で11.3憶米ドルから12.7憶米ドルに増加、4四半期連続の増加を記録。
• 世界のコーポレートベンチャーキャピタル投資額は、同期間で442億米ドルから334億米ドルに減少。

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