KPMGの2020年度グローバル総収入が292.2億米ドルに
KPMGインターナショナルは、2020年9月30日をもって終了した事業年度のKPMGメンバーファームの年間合計収入が、292.2億米ドルに達したことを発表しました。
KPMGインターナショナルは、2020年9月30日をもって終了した事業年度のKPMGメンバーファームの年間合計収入が、292.2億米ドルに達したことを発表しました。
KPMGインターナショナル(チェアマン:ビル・トーマス)は、2020年9月30日までの事業年度において、メンバーファームの年間合計収入が292.2億米ドルに達したことを発表しました。2020年度総収入は上半期好調にスタートしたものの、新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の影響もあり、下半期は鈍化に転じました。
- 2020年度のグローバル総収入は292.2億米ドル、2019年度は297.5億米ドル
- 増収率はパンデミック前の5%から、2020年度末までに-1%に低下
- 昨年比、総収入は僅かに減少したものの、正味売上高および業務時間数は引き続き増加
- アジア太平洋地域は最高増収率を維持
- Regulatory Driven Transformation(規制主導の変革)、サイバーセキュリティおよび法務サービスに対する需要は堅調
- 持続可能な成長の実現に対する継続的な取り組みの一環として、2030年までに二酸化炭素排出量の実質ゼロを実現するという目標を表明
- 146の国と地域に及ぶ全従業員数は約227,000人
- 行動指針および包括的で多様性のある文化を育むための重点を強化
戦略的優先事項の推進
KPMGインターナショナル チェアマンのビル・トーマスは、次のように述べています。
「KPMGのグローバルな組織、ならびに混乱に満ちたこの一年間におけるメンバーファーム間の協力やクライアントに対する支援を、非常に誇りに思います。私たちにとっての最優先事項は、従業員の健康と安全です。同時に、KPMGは目標および戦略の実現にも注力しています。最も重要なことは、優れたサービスの提供、全ての業務領域における最高水準の品質および誠実性の維持、ならびにKPMGの成長をけん引する人材およびデジタル化への投資です。革新的な変化が生じているこの時代に、KPMGは引き続き、クライアント向けの強力なソリューションの創出を目指します。そのため、私たちが行うすべての業務の品質およびグローバルでの一貫性を維持することを目的として、テクノロジー、イノベーションおよび人材に対する50億米ドルの複数年投資を継続しています。パンデミックの影響によりデジタル化は加速しています。これは、クライアントの事業のみならず、監査、税務および法務、ならびにアドバイザリーにわたるKPMGの全てのサービスに当てはまります。KPMGは、クライアントのビジネスのデジタル化を支援するために、戦略的なアライアンスを構築し、密接に連携しています。また、KPMGのデジタルプラットフォームの開発および展開も進めています」
KPMGはデジタル化のあらゆる側面を支援できる体制を整えており、KPMGのデジタル関連サービスへの需要は高まっています。クライアントは自社のデジタル化を実現するための知見を求めており、マネジメントコンサルティングおよびリスクコンサルティングのサービス分野において成長が見られました。特筆すべきは、パワードエンタープライズ(Powered Enterprise)による一連のソリューションで、旧来のビジネスプロセスから新しいモデルへと変革し、企業の各部門のパフォーマンス向上を実現させるものです。デジタル時代には、提供する信頼の価値がこれまで以上に高まっているため、KPMGのサイバーセキュリティサービスに対する需要は堅調を維持しています。
アリババ、アマゾン・ウェブ・サービス、グーグルクラウド、IBM、マイクロソフト、オラクル、Salesforce、SAS、ServiceNowおよびWorkdayなど大手企業とのグローバルアライアンスは、KPMGの成長目標の実現に極めて重要であり、このようなアライアンス関係により、大幅な増収が続いています。
技術の発展により規制環境および法的環境は複雑化が進んでいます。クライアントはコンプライアンスプログラムの自動化およびリスク管理の改善に努めており、KPMGのRegulatory Driven Transformation(規制主導の変革)サービスに対する需要が高まっています。また、KPMGの法務サービスに対する需要も高まっており、現在6%の増収を実現しつつあります。KPMGはデジタル性能の強化に加えて、特にスマート監査プラットフォームKPMG Claraによる監査業務の質の向上に投資しており、監査サービスに対する需要は堅調を維持しています。
変革の一年における対応
KPMGのプロフェッショナルは、COVID-19感染拡大がもたらした難題の解決において、世界中の企業と協働しています。公衆衛生の取り組みの最前線のみならず幅広い分野に専門知識と人材を提供し、医療制度に対する需要の驚異的な高まりに企業が対応できるように支援しています。KPMGは、COVID-19検査の有効性向上から、政府による「追跡」アプリの開発および評価まで世界中の様々な取り組みに関与しています。
COVID-19感染拡大期に、生き残りをかけた企業が政府の緊急財政援助を求めて金融機関に殺到した際には、何千人ものKPMGのスタッフが当該制度および申請手続きの管理支援に参加し、資金援助の迅速な提供に貢献しました。
好調なセクターおよび業界へのアプローチ
KPMGのプロフェッショナルは、すべてのサービスおよび業種にわたり、クライアントが抱えている固有の問題への取り組みを支援するため、最適なグローバル人材ならびに業界に関する深い専門知識を提供します。2020年度は、KPMGの重点的な取り組みにより、金融サービス、インフラストラクチャー、パブリックセクターおよびヘルスケア、ならびにテクノロジー・メディア・通信などの主要セクターにおいて成長が見られました。
各地域の業績は堅調
KPMGのメンバーファームは、3つの全地域において堅調な業績を収めました。特にアジア太平洋地域は最高の増収率を達成しました。
- アジア太平洋地域の2020年度の業務収入は52.6億米ドルと好調。特にオーストラリアは、経済がCOVID-19危機から回復し始め、デジタルトランスフォーメーションなどの主要分野への投資が維持されており、力強い増収を示す
- ヨーロッパ、中東、アフリカおよびインド(EMA)の2020年度の業務収入は127.4億米ドル
- 米州の2020年度の業務収入は112.2億米ドル。特にカナダは年間を通して好調であり、クラウド、データおよびサイバーセキュリティの需要および投資にけん引され、KPMGのすべてのサービスラインにわたって大幅に増収
監査、税務および法務、アドバイザリーサービスへの継続した戦略的投資
監査
監査部門の2020年度のグローバル総収入は、110.7億米ドルに達しました。
監査の品質 に対する徹底した取り組みは、KPMGのビジネスの中核であり、KPMGを示すものです。投資家、規制当局、KPMGのクライアント、従業員、資本市場およびKPMGが業務を行い関与しているコミュニティの信頼と信用を高めるために、現在の不安定な時代には監査の品質が以前にも増して重要となっています。
KPMGが実施するすべての監査およびあらゆる業務が、KPMGおよび私たちプロフェッションに期待される基準を常に満たすように、監査業務全般にわたりKPMGのプロセス、方法およびシステムに投資しています。
税務および法務サービス
税務および法務サービスの分野の2020年度のグローバル総収入は、税務サービスへの需要が牽引した結果、64.8億米ドルとなりました。これは特に、クライアントが複雑化する国境を越えた納税義務の管理に関する支援を求め、現在の課題に対応するためのコンプライアンスプロセスの変革および新技術の導入に取り組んでいるためです。
KPMGのグローバル法務サービスの2020年度の増収率は、6%と引き続き堅調でした。KPMGのネットワークは現在、81の国および地域に2,700人の法務プロフェッショナルを有しており、従来の法律事務所よりもはるかに幅広い事業問題に対して助言を提供しています。KPMGは、クライアントによる新しい現実に向けた業務の変革、法務機能プロセスのデジタル化および自動化を支援するために、Global Legal Operations Transformationサービスの提供を開始しました。
アドバイザリー
アドバイザリー部門の2020年度のグローバル総収入は、116.7億米ドルとなりました。
KPMGのクライアントは、常に変化を続けるデジタル世界に適応していかなくてはなりません。KPMGは、クライアントの差し迫ったニーズを満たすために、様々な職能分野の専門知識と技術力を併用した一連のソリューションに投資しています。KPMGのコネクテッドエンタープライズの機能は、KPMGのクライアントが、従業員と技術の相互作用によって新しい水準の生産性および価値を作り出すボーダレスな組織を構築するための顧客の再編を支援します。パワードエンタープライズ(Powered Enterprise)の枠組みは、企業の迅速な対応および規模の拡大を支援します。また、クライアントが適切なオペレーティングモデルへ向けてより賢明な転換を計れるよう、最新技術を駆使して、最先端のビジネスプラクティスおよび検証済みのソリューションの提供を可能にします。
KPMGの革新的な技術には、KPMGのツールおよびメソドロジーにおける予測分析およびインテリジェントオートメーションの構築が含まれています。
KPMGのクライアントのニーズを満たす最先端のソリューションを提供するために、戦略的アライアンスのエコシステムと引き続き連携していきます。
意欲的な人材
2020年度の従業員数はグローバル全体で約227,000人でした。KPMGは、これまで以上に多くの、高度なスキルを有する意欲的な人材を採用しています。
KPMGは、組織としてのKPMGの目標および信念を十分に反映させるため、2020年に行動指針を刷新しました。全従業員と行動指針を共有、協議し、強化するために、KPMG全体のコミュニケーションを引き続き強化していきます。グローバルで開催されたバーチャルイベント「Courageous Conversations」では、17,000人以上の従業員が参加し、職場での経験に関する意見に加えて、KPMG内の人種的平等の向上という目標に対する効果的な取り組み方について、思慮に富んだ意見交換を行いました。これは、インクルージョン&ダイバーシティ(I&D)に対するKPMGの継続的な取り組みにとって不可欠であり、この取り組みの詳細については2021年5月に報告する予定です。
ESGへのアプローチ
環境・社会・ガバナンス(ESG)の取り組みの推進は、世界レベルでの責務であり、KPMGの従業員およびクライアントにとって最重要課題です。2020年に、KPMGはESGおよびサステナビリティに対する新たな取組であるKPMG IMPACTを開始しました。これは、持続可能かつレジリエントな将来の構築に向け、クライアントを支援することに特化しています。また、KPMGは世界経済フォーラム に特別協賛しています。ビッグ4(世界の四大会計事務所)が集結し、世界共通のESG指標および企業が採用する開示項目について合意しました。
パンデミック中のコミュニティおよび企業に対する支援に加えて、KPMGは、SDG(持続可能な開発目標)のうちSDG4(生涯学習および識字教育)に対して、グローバル全体での重点的な取り組みを強化しています。パンデミックの影響下にあった3月にKPMGは、ユネスコのGlobal Education Coalition(国際的な教育連合)の創設メンバーとなり、コロナ禍の各国・地域における最善の遠隔学習手段の拡大、ならびに学習の危機に晒されている若者に対する学習機会の提供を支援しています。
2021年初旬には、ESGのテーマに対するKPMGの戦略および目標を詳述した「Our Impact Plan」を発表する予定です。これには、2030年までに二酸化炭素排出量の実質ゼロの実現、平均気温の上昇を1.5℃未満に抑えるパリ協定に沿った科学的根拠に基づく目標の採用、再生可能電力への100%移行、国際環境NGOゴールド・スタンダード財団による炭素除去プロジェクトへの投資が含まれます。
2020年度のKPMGのメンバーファームの総収入
地域別収入(単位:億米ドル)
2020年 | 2019年 | 現地通貨ベースでの成長率 | |
米州 | 112.2 | 117.2 | -3% |
アジア太平洋 | 52.6 | 51.4 | 3% |
欧州・中東・アフリカ | 127.4 | 128.9 | 0% |
合計 | 292.2 | 297.5 | -1% |
ファンクション別収入(単位:億米ドル)
2020年 | 2019年 | 現地通貨ベースでの成長率 | |
監査 | 110.7 | 111.8 | 0% |
税務および法務サービ | 64.8 | 66.2 | -1% |
アドバイザリー | 116.7 | 119.5 | -1% |
合計 | 292.2 | 297.5 | -1% |
- 上記の財務情報は、KPMG International Limitedと提携し、専門的なサービスをクライアントに提供する独立したKPMGのメンバーファームの情報を合算したものです。当該情報は、表示目的のためにのみ本プレスリリースにおいて合算しています。KPMG International Limitedは、クライアントに対して一切サービスを提供しておらず、クライアント収入を一切創出していません。
- 本プレスリリースにおける2020年度の業務収入は、2019年10月1日から2020年9月30日までのKPMGの会計年度の収入を、米ドル建てで表示しています。
- 現地通貨ベースの成長率は、2019年度にも2020年度の為替レートを適用することにより、一貫性を維持しています。またこれには正味収入成長率の算定からは除外される交通費およびその他のクライアント負担の立替経費等を含む総収入に基づいています。
- 従業員数は、FTE(フルタイム当量)で表示しており、当会計年度の平均従業員数に基づいています。
- 法務サービスはSEC監査関与先や法律で禁止されている場合には提供されないことがあります。
- 本資料は、2020年12月17日にKPMGインターナショナルが発表したプレスリリースの日本語の抄訳版です。本資料の内容および解釈は英語の原文を優先します。
KPMGインターナショナルについて
KPMGは、監査、税務、アドバイザリーサービスを提供する、独立したプロフェッショナルファームによるグローバルな組織体です。世界147の国と地域のメンバーファームに219,000名以上の人員を擁し、サービスを提供しています。KPMGの各ファームは、法律上独立した別の組織体です。
KPMG International Limitedは英国の保証有限責任会社(private English company limited by guarantee)です。KPMG International Limitedおよびその関連事業体は、クライアントに対していかなるサービスも提供していません。
日本におけるメンバーファームは、次のとおりです。 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人、KPMGコンサルティング株式会社、株式会社KPMG FAS、KPMGあずさサステナビリティ株式会社、KPMGヘルスケアジャパン株式会社、KPMG社会保険労務士法人、株式会社KPMG Ignition Tokyo