人工知能(AI)の1つの形態であるディープラーニングの進化が、自動運転技術を劇的に進化させるとともに、自動車業界のみならず運輸産業をも変えつつあります。KPMGが世界規模で実施した調査でも、「自動運転」、「モビリティ」、「コネクティビティ」をキーワードとした新たなモビリティサービス産業が形成され、2030年までに全世界で1兆ドル以上の市場になり得ることを示唆しています。
本ホワイトペーパーでは、ディープラーニングが完全自動運転車の実現に欠かすことができないテクノロジーとして捉え、今後の自動車業界、運輸業界のビジネスのあり方に大変革をもたらすとしています。完全自動運転を可能にする車には、「認知する」、「判断する」、「操作する」、「学習する」という4つの要素が不可欠ですが、「学習する」能力こそ、ディープラーニングの進化が深く係わります。
KPMG米国の自動車セクターリーダーのGary Silbergは、「ディープラーニングは我々の予想をはるかに超えたスピードで進化しており、自動車業界に限らず、モビリティ社会全体に影響を及ぼします」と述べています。さらに、完全自動運転車の実現には、自動車が『自ら学習する能力』が欠かせません。ディープラーニングによる学習する能力がなければ、何千万あるいは何億行にもおよぶソースコードが必要となり、完全自動運転の実用化は何年も先のことになるでしょう。」
Silbergはさらに、「自動車業界は新たな時代を迎えようとしています。自動車の開発、生産における重要な要素が従来のパワートレインから、コンピュータ、センサー、各種コントロールユニット、ドライバーをサポートする制御系、あるいは走行データを蓄積する能力に移っていきます。この変化は、多くの自動車関連企業にとって、専門知識を有する人材の確保や事業モデルの変革など、組織そのものに大きな影響を及ぼします」と述べています。
自動車産業はまさに転換期を迎えていることを、本ホワイトペーパーは警鐘しています。専門知識を持つ人材の争奪戦は自動車関連企業とハイテク企業との間で既に始まっています。ディープラーニングに精通した人材は不足しているうえに、その多くがハイテク企業あるいは大学などの教育機関に属しています。この専門人材の確保こそ、自動車関連企業には求められています。
一方で、ディープラーニングに欠かすことのできない走行データの取得においては、自動車メーカーはハイテク企業に対しアドバンテージがあります。運転中のあらゆる事象から得られる膨大なデータが、安全かつスムーズな完全自動運転車を可能にします。
KPMGでは、今回の調査結果の分析とKPMGが持つ知見から、ディープラーニングにより実現される将来の完全自動運転社会において、自動車のエコシステムにかかわるすべての企業が生き残るために理解すべき6つの重要なポイントを明らかにしました。