ライフサイエンス&ヘルスケアセクター統轄パートナー 坂本 正明

KPMGコンサルティング ライフサイエンス&ヘルスケア統轄パートナー 坂本 正明

日本のライフサイエンス・ヘルスケア業界は、かつてない変革のときを迎えています。世界に類を見ない超高齢化社会の到来を前に、国をあげた「健康・医療・介護の一体改革」が急速に進行しており、医療提供体制の再構築、医療費の適正化、健康経営の推進など、業界全体が複雑かつ多様な課題に直面しています。こうした環境のなかで、製薬・医療機器企業、医療機関、ヘルスケア関連企業は、従来の枠組みにとらわれない新たな価値創出とビジネスエコシステムの構築を迫られています。

KPMGコンサルティングのライフサイエンス・ヘルスケアセクターは、こうした変革の最前線に立ち、製薬企業や医療機器メーカー、厚生行政、医療研究機関などに対して、戦略立案から業務改革、規制対応、グローバル展開支援まで、幅広いコンサルティングサービスを提供しています。なお、医療機関向けの支援については、日本におけるKPMGのメンバーファームであるKPMGヘルスケアジャパンが担っています。

現在、特にライフサイエンス・ヘルスケアセクターにおいて力を入れている領域の1つに、日系製薬企業のグローバル進出支援と営業組織改革支援があります。日本で開発された医薬品を海外市場に展開する際には、各国の薬事規制や市場環境に対応する必要があります。ライフサイエンス・ヘルスケアセクターは薬学の専門家やライフサイエンス業界出身者、業界アナリスト経験者など多様なバックグラウンドを持つメンバーで構成されており、薬事対応や海外法令の調査、論文サーチなど、技術的な支援を現場レベルで提供可能です。

国内市場が人口減少により縮小し、また薬価制度の影響で収益性が低下するなか、新興国市場への進出は戦略的に重要な選択肢です。ライフサイエンス・ヘルスケアセクターの企業は特に、グローバル市場を前提とした競争環境に置かれています。KPMGのグローバルネットワークを活用し、現地のメンバーファームと連携することで、クライアントの海外展開を実効性高く支援できることは、私たちの強みです。

また、営業組織改革支援にも注力しています。MR(医薬情報担当者)の生産性向上は、ライフサイエンス・ヘルスケアセクター各社の喫緊の経営課題です。従来型のセールスフォースマネジメントに加え、データの利活用によるPDCAサイクルの高度化が求められています。私たちは、営業現場の実態を分析し、業務プロセスの整流化や、必要に応じたシステム導入を含むオペレーションモデルの再構築を支援しています。

業界の展望として、高齢化や医療費増加といった構造的課題はもちろんですが、意思決定の仕組みや人材の動かし方といった「人」にかかわるテーマの重要性が増していると感じています。ライフサイエンス・ヘルスケアは、人の命や健康に向き合う産業であるからこそ、感情や心理の働きを科学的に理解し、行動や意思決定にどう影響するかを探る「エモーショナルサイエンス(感情科学)」の視点も含めた支援が求められます。私たちは、仕組みや戦略だけでなく、人の感情や動機に寄り添う支援を通じて、より本質的な変革を実現していきたいと考えています。

KPMGコンサルティングは、「Business Biotoping」(ビジネスビオトーピング)という世界観のもと、縁の下の力持ちとして、持続可能なエコシステムの構築を目指しています。ライフサイエンス・ヘルスケアセクターにおいても、クライアントの真のビジネスパートナーとして、新たな価値創出に貢献してまいります。

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