製造業の未来を描く－製造セクターが挑む変革の本質

製造業を取り巻く環境は、今まさに大きな転換期を迎えています。顧客ニーズの多様化、地政学的緊張の高まりによる不確実性の増大、生成AIをはじめとしたテクノロジーの進化により、企業が直面する経営課題はかつてないほど複雑化しています。加えて、デジタルトランスフォーメーションやサステナビリティ対応など、モノづくりの枠を超えた変革が求められる時代となっています。

KPMGコンサルティングでは、製造業のテクノロジー、製品、業務に対する豊富な知見と、グローバルな先進事例の活用を通じて、クライアント企業が技術力を高め、提供価値を最大化するモノづくりを実現できるよう支援しています。

製造セクターは、日本の産業の根幹を担う製造業に対し、専門性と未来洞察をもって伴走するコンサルティング集団です。主に重工業、機械、電機などのBtoB企業の支援をしています。製造業の課題は、他セクターとも共通するような、コーポレートガバナンスや基幹システムの導入などもありますが、製造業特有の文脈で語られるべきテーマも数多く存在します。 

現在、製造セクターで注力している領域の1つに、スマートファクトリーの推進があります。一般的にスマートファクトリーは、いかにデジタルを実際の製造現場に活用していくかという観点で、あらゆるモノがネットにつながるIoTやビジネスインテリジェント（BI）ツールの導入といった技術導入の文脈で語られがちです。一方で、私たちは経営戦略とデジタル技術が融合する1つの結節点が、スマートファクトリーであると考えています。スマートファクトリーを通して製造業の未来像を描き、たとえばサプライチェーンやサイバーセキュリティに関連する課題に対しては、製造セクターをハブに当社内のサービスラインと連携して支援をしています。

加えて、IT構想策定も力を入れている領域の1つです。私たちは「経営とITの接続」に重きを置いています。単なるシステム導入ではなく、経営者の視座からITの役割を再定義し、経営戦略に資するような、インパクトのある構想を描くことを心がけています。また、製造セクターには大手製造業出身者が数多く在籍しており、経営視点と現場感覚を融合させたサービスは、KPMGコンサルティングならではの強みです。

私たちが提供するコンサルティングサービスは、単なるシステムの実装ではなく、経営課題の解決に資することを目的としています。そのために、ストーリーと手段をセットで提供しています。製造業において、モノを製造し販売するという一連の流れは日本国内にとどまりません。グローバルな視点での対応が肝要です。製造セクターは、クライアント企業にサービスを提供する窓口でもあり、KPMGジャパンやグローバルの総合力を結集し、支援しています。

環境の変化は今後さらに加速すると考えています。経済安全保障や、カーボンニュートラルなど、製造セクターが直面する課題や社会的な要請は多岐にわたります。こうした諸課題は1年、2年といった単位では解決できず、中長期的な視座が必要です。こうした変化への対応を、製造セクターの企業は今後ますます求められていくと考えます。

こうした複雑な状況に対し、私たちは情報分析から戦略立案、仕組み設計まで一貫して支援しています。 製造セクターは、新しい技術やトレンドをしっかりと受け止め、柔軟に対応する集団です。固定的なソリューションにとらわれず、未来をしっかりと見据えてそこからバックキャストする形で、課題解決に寄り添っていく。クライアント企業の発展に貢献するために、伴走していきます。

KPMGコンサルティング
製造セクター統轄パートナー
坂本 正明