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目下の世界情勢は明らかに複雑化しており、地政学的変化、経済的不確実性、消費者支出に対するプレッシャーは、今後の消費財・小売業界のビジネスの変革を方向付ける要因の一部にすぎません。消費財・小売業界のリーダーたちは、強いレジリエンスと決意をもって、こうした複雑な課題に向き合っています。

最新のKPMGグローバルCEO調査から、不安定な情勢下にある世界中の消費財・小売業界におけるCEOの見解が明らかになりました。当該業界のリーダーたちは変化と不確実性への対応に対し、課題として認識しつつも、業界の今後の成長に対し、依然として楽観的です。

調査結果:重要なポイント

消費財・小売業界のCEOは、
82%が自社の成長見通しに自信を持っています。
59%が経済成長に楽観的な見通しを持っています。(ただし、他業界と比較して最低値)
58%が2024年に直面する主要な課題として経済的不確実性をあげています。
53%が2024年に直面する主要な課題として地政学的複雑性をあげています。
48%が2024年に直面する主要な課題として生成AIの導入をあげています。
81%が販売・マーケティング領域への生成AIへの投資が重要であると認識しています。
48%がサイバー攻撃に対して「十分な準備ができている」と回答しています。
63%が、2030年までにネットゼロ目標を達成することに自信を持っています。


注目すべきは、厳しいマクロ経済環境にもかかわらず、80%以上の消費財・小売業界のCEOが業界・自社の成長に自信を持っていることです。また生成AIに関して、消費財・小売業界のリーダーたちは、パーソナライズ体験の提供、キャンペーンの最適化、成長促進など、販売・マーケティングにおいて非常に重要な推進力であると考えています。一方、生成AIの倫理的課題についても認識しており、適切な導入に向けた規制が必要とも考えています。この傾向は、他のどの業界より消費財・小売業界で特に強く見られます。

Isabelle Allen
Global Head of Consumer and Retail
KPMG インターナショナル

調査概要

第10回目となる「KPMGグローバルCEO調査2024」は、2024年7月25日から8月29日にかけて企業経営者1,325人を対象に、CEOの知見や経営戦略などについて調査しました。

回答者は、年間売上5億米ドル以上の企業、そのうち1/3は年間売上100億米ドル以上の企業のCEOで、11ヵ国(オーストラリア、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、日本、スペイン、英国、米国)と11業界(資産運用、自動車、銀行、消費財・小売、エネルギー、インフラ、保険、ライフサイエンス、製造、テクノロジー、通信)のリーダーたちです。注:四捨五入のため、数字の合計が100パーセントにならない場合があります。

本レポートでは、消費財・小売業界の120名のCEOの知見や見識を分析し、重要課題を明らかにしています。今後3年間の業界動向の分析や企業のパフォーマンス指標の一助となれば幸いです。

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KPMG 2024 Consumer and Retail CEO Outlook



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