サステナビリティが企業の未来を左右する時代、変革の加速に必要なものは何か

WBCSD CEO&プレジデント Peter Bakker氏 × あずさ監査法人 田中弘隆 特別対談

WBCSD CEO&プレジデント Peter Bakker氏 × あずさ監査法人 田中弘隆 特別対談

図表1

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WBCSD(World Business Council for Sustainable Development持続可能な開発のための世界経済人会議)のCEO&プレジデントであるPeter Bakker氏と、KPMG/あずさ監査法人 田中弘隆が「サステナビリティが企業の未来を左右する時代、変革の加速に必要なものは何か」をテーマに対談を行いました。2025年1月に公開予定の対談記事の論点は、以下の通りです。

1.サステナビリティ課題への対応が企業の存続を左右

2023年秋の対談で議論したとおり、サステナビリティの課題は、企業の存続に影響する経営課題であり、企業の競争力の鍵です。サステナビリティの課題解決への道のりとそれが求められる背景にはどんな考え方があるのかを解説します。

2.金融市場とビジネス変革のリンクが脱炭素化のスピードを加速

2050年をターゲットとしたGHG排出量ネットゼロの目標や、2030年をターゲットとしたパリ協定に対し、脱炭素化に向けたスピードは十分とはいえません。WBCSDが公表した企業のパフォーマンスと説明責任システム(Copporate Peformance and Accountability System、 「CPAS」)は、企業がより理にかなった資本分配を行い、既存のインセンティブ構造を変革するサポートしています。

3.気候・自然・不平等への取組みを持続的経営の3本柱に

以下3つのテーマにおける枠組みや方向性を議論しました。

気候変動
気候に関連する影響、リスク、依存関係、機会を意思決定のプロセス全体に統合する必要があります。WBCSDは「気候の適応とレジリエンスに関するビジネスリーダー向けガイド(The Business Leaders Guide to Climate Adaptation & Resilience)」を共同開発しました。

生物多様性
COP16で議題される自然と生物多様性の損失も、企業のビジネスモデルの持続性にとっては脅威となります。企業に何が求められているのかについて議論しました。

社会的不平等
Peter氏が共同議長に就任した今年9月に正式に設立された不平等・社会関連財務開示タスクフォース(Taskforce on Inequality and Social-related Financial Disclosures、「TISFD」)では、今後予定されている取組みを解説します。

4.必要なのはCEOのリーダーシップとグローバルレベルでのガバナンス改革

2024年9月にKPMGが公表したCEOへの意識調査KPMGグローバルCEO調査2024では、74%のCEOがESGに関して株主からの厳しい評価と高い期待に応える準備ができていないと認めています。この状況を打破するには何が必要か、議論しています。

5.WBCSDとKPMGの協働で継続的に新たなソリューションを提供

WBCSD傘下の組織として不平等に取り組むThe Business Commission to Tackle Inequality(BCTI)のレポート「不平等に取り組む:企業行動に関する指針」の日本語訳をKPMGジャパンが担当したり、サステナビリティ対応によってもたらされる機会の側面に焦点を当て、企業価値へのつながりを可視化しやすくするツール「Building the business case for sustainability – WBCSD」を作成したりするなど、WGCSDとKPMGは密に連携しています。企業のサステナビリティに関連するパフォーマンスや自然に関連するデータを情報開示したり、保証が求められたりする場面では、より協力して新たなソリューションを創り出していきます。