経済産業省、「サステナビリティ関連データの効率的な収集及び戦略的活用に関する報告書(中間整理)」を公表

2023年7月18日、経済産業省は「サステナビリティ関連データの効率的な収集及び戦略的活用に関する報告書(中間整理)」(以下、報告書)を公表しました。

2023年7月18日、経済産業省は「サステナビリティ関連データの効率的な収集及び戦略的活用に関する報告書(中間整理)」(以下、報告書)を公表しました。

本報告書は、2022年12月に経済産業省が「非財務情報の開示指針研究会」に設置した「サステナブルな企業価値創造に向けたサステナビリティ関連データの効率的な収集と戦略的活用に関するワーキング・グループ」(以下、ワーキング・グループ)における検討結果をまとめたもので、サステナビリティ関連データの収集と戦略的活用における課題の洗い出しや整理を行ったことに加え、各課題に対する方策や目指すべき姿がまとめられています。

報告書では、企業によるサステナビリティ関連データの効率的な収集と戦略的活用を通じた企業価値の向上を後押しすることを目的とし、主として以下の3つのポイントについて解説しています。

1.サステナビリティ経営の重要性を踏まえた経営者及び取締役会の理解醸成とリーダーシップの必要性

報告書では、企業を取り巻く経営環境の複雑化、及びステークホルダー(投資家、消費者等)によるサステナビリティ情報の開示要請が加速化している現状認識のもと、企業はこれに対応するため、経営をサステナブルなものへより高度化することが求められており、そのために、サステナビリティに関連するデータを特定、収集した上で、これらを活用していくことが重要であると説明しています。

また、サステナビリティに関連するデータの活用を進めるには、経営者及び取締役会がその重要性を理解した上で、効率的なデータ収集体制の整備のための統轄部署の設置や、人員配置やシステム構築に必要な予算的措置の実施等、率先して取組を主導することが必要である旨を説明しています。

2.サステナビリティ関連データの収集における課題と対応の方向性の整理

2022年12月から2023年5月にかけて、ワーキング・グループが上場企業を中心に200社から回答を得た「サステナビリティ関連データの収集・活用等に関する実態調査のためのアンケート」の結果を踏まえ、報告書では、企業が直面しているサステナビリティ関連データの収集における課題のうち、特に重要性の高い5項目について、アンケート結果を引用しつつ、課題の背景・要因を分析しています。その上で、当該課題への企業の対応の方向性を、収集体制の確立と、収集のためのオペレーションの確立の2つの側面から取りまとめています。
(なお、アンケート結果については、本報告書の別冊として添付されています)

3.サステナビリティ関連データの経営戦略への活用事例の紹介

企業がサステナビリティ関連データを経営戦略に活用するための参考として、報告書では、事業ポートフォリオの方向性や調達先の管理等の経営戦略の策定において既にサステナビリティ関連データを具体的に活用している企業の事例を紹介しています。

この他、報告書では補論として、サステナビリティ関連情報の信頼性の確保に向けた第三者保証について、直近の国際的な保証基準及び倫理規則の策定動向の紹介と、第三者保証を進めるにあたっての主な課題についても取りまとめがされています。

執筆者

有限責任 あずさ監査法人
開示高度化推進部
シニアマネジャー 瀧澤 裕也

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