経理財務部門における機能変革(経理DX)への取組み - 後編

経理DXを推進していくにあたって、検討していくべきポイントを2回に分けて説明していきます。

経理DXを推進していくにあたって、検討していくべきポイントを2回に分けて説明していきます。

定型業務の効率化

経理DXを推進し、経理財務部門の高付加価値業務への変革を達成するためには、まず経理財務部門における業務である「取引の処理」の定型業務をいかに効率化していくか、検討することが重要です。

経理財務部門の機能変革(経理DX)取組み-後編-1

この検討に当たり、留意すべきポイントは、「業務の効率化」、「IT導入/維持・運用コスト」、「リソース」、「会計品質」のバランスをいかに取るか、という点です。

業務の中には自社特有の業務や、環境に応じた変化の大きい業務が存在しています。そのような業務まで含めて、「何が何でも自動化ありき」で考えることは、ITシステム導入やその維持・運用にかかるコスト、人的リソースの増大を招く要因となり、結果として非効率な状態に陥りかねません。また、業務の効率化を推進した結果として、会計情報の品質低下が生じるのであれば、経理財務機能として上位階層に位置付けられる「意思決定サポート」の有効性にも疑義が生じかねない状況となります。

経理財務部門のDX検討では以下のポイントが重要となります。

経理財務部門における機能変革(経理DX)への取組み - 後編-2

Point

  • 適切な内部統制を構築し、「取引の処理」の会計情報の質を十分に確保すること
  • 「取引の処理」に関与する人員の作業負荷・工数の低減を行うこと
  • 全社最適なIT投資配分の観点から「取引の処理」に関連するITシステムへの投資を合理的な水準に抑えること


これらを総合的に勘案して業務の構築、ITシステムの活用を図ることが経理財務部門に与えられたミッションであるといえます。

このミッションを遂行するためには、いわゆる会計領域のみでなく、前方業務も含めた取組みが不可欠です。そのため、経理財務部門としては販売管理などの前方領域における業務プロセス、システムに対して十分な知見を持つことが重要です。

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