タワービジネスは日本企業の商機となるか

鉄塔を中心とした通信インフラをシェアするタワービジネスが世界の多くの国・地域で活況を呈しています。通信インフラをシェアする動きは海外では10年以上も前から行われてきましたが、日本においても2022年に1,000億円規模の取引が発生するようになり、いよいよ本格化の兆しが見えてきました。

近年活況を呈しているタワービジネスの概要、収益機会、リスクおよび日本企業の商機について解説します。

タワービジネスの概要

タワービジネスのビジネスモデルは極めてシンプルです。鉄塔、すなわち“タワー”をタワー会社が保有し、携帯電話会社にアンテナ設置スペースを提供することでテナント料を徴収します。 また、1つのアンテナをシェアするモデルも拡大しています。

タワー会社の組成パターンは大きく3パターンに分けられ、それぞれのパターンで携帯電話会社の思惑やタワー会社が抱える課題が異なります。タワー会社との取引にあたっては、該当のタワー会社がどのような背景をもってうまれてきたかを理解することが重要です。

タワービジネスの収益機会

通常、鉄塔1つにつき1社の携帯電話会社がテナントに入っていれば収支が成り立つように、テナント料が設定されます。携帯電話会社とのリース契約は5~10年以上の長期スパンで締結するため、収益が見通しやすく安定していることが、タワービジネスの魅力となっています。

一方で鉄塔を活用して新たな収益モデルの実現を試みるタワー会社も登場しています。

タワービジネスが抱えるリスク

順調に成長してきたタワービジネスが内包しているビジネス上のリスクはどのようなものがあるのでしょうか。想定されるリスクを整理します。

日本企業の商機

タワービジネスの事業機会としては、国内外でインフラシェアリングプレイヤーとして参入するほか、タワー会社のビジネスを支援するイネーブラーとしての参入方法も考えられます。

ネットワーク技術に関する研究開発では世界に先んずる領域も日本には多くあり、後発市場だからこそ、既存のタワービジネスをディスラプトするような思い切ったソリューションが開発される可能性もあるのではないでしょうか。

執筆者

KPMGジャパン テクノロジー・メディア・通信セクター 
通信セクター統轄リーダー ディレクター 石原 剛

KPMGコンサルティング
プロフェッショナルシニアコンサルタント 根岸 次郎
 

石原 剛

KPMGジャパン テクノロジー・メディア・通信セクター 通信セクター統轄リーダー アソシエイトパートナー

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