サプライチェーンと地政学的圧力

グローバルサプライチェーンへの圧力は、ロシア・ウクライナ戦争の影響を受けながらも2021年末にピークを迎え、その後緩和されています。今後、世界経済は低迷し、サプライチェーンへの圧力はさらに緩和されると予想されますが、状況が逆行するおそれもあり、化学業界では今後も、原油、ガス、原材料の供給混乱への対処・措置が引き続き必要とされます。

インフレを加速させるエネルギー価格

コロナ禍からの経済活動の再開に加え、ロシアのウクライナ侵攻により、世界経済はさらなるインフレ圧力を受けています。急激に進むインフレは、ほとんどエネルギー価格によるものです。昨今、原油価格が穏やかに推移するようになり、多くの国で年間インフレ率がわずかに緩和されましたが、原油価格は過去数十年で異例なほどのボラティリティを増しています。

沈静の2023年?

インフレは2023年半ばを境に急激に収束すると見込まれていますが、あらゆる生産コストが高止まりしており、構造的にインフレが進行しやすい局面に差しかかるおそれもあります。また、インフレ圧力が定着し、足元のインフレ上昇が収束したとしても、金利は過去10年で見ない高水準で推移する可能性があります。

穏やかな経済減速の見通し

世界のGDP成長率は、2.7%(2022年) から1.9%(2023年)まで減速する見込みですが、KPMGは比較的緩やかな後退であろうと予測しています。

主要各国の経済見通し

  • 中国 - COVID-19の封じ込めと経済成長支援のバランス
  • ドイツ - 景気後退に脅かされる欧州最大の経済大国
  • 日本 - インフレと金融緩和の維持により引き続き円安か
  • 米国 - 経済失速の兆し
  • 英国 - スタグフレーションに見舞われる経済

英語コンテンツ(原文)

Global Economic Outlook for Chemicals

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