1. COVID-19による各業界への影響

COVID-19と不正リスク第1回 - COVID-19を起因とした業界への影響予測に基づき業種を4つに分類し、財務データを分析します。

COVID-19を起因とした業界への影響予測に基づき業種を4つに分類し、財務データを分析します。

COVID-19が企業の業績やリスクに及ぼす影響

今もなお継続しているCOVID-19の感染拡大が企業の業績に与える影響は、リーマンショックを超えるともいわれています。2020年4月から9月(累計)までの決算では、「売上高は前年比15%減の260兆4951億円」、「純利益は前年比38%減の10兆808億円」(日本経済新聞 2020年11月16日)になったとのことです。
一方で、このような状況下においても全体の「7社に1社の純利益が過去最高」(日本経済新聞 2020年11月10日)とのことであり、人の動きを制限するというコロナ禍が企業の業績に与える影響は、業種に応じて多様であることがわかります。

COVID-19による影響予測を4つの業種に分類

KPMG GlobalではCOVID-19を起因とした業界への影響予測に基づき、様々な業種を4つに分類しています。本稿ではこの4つの業種分類に基づき、主に公表されている上場会社の財務データを分析していきます。

  1. 外食産業や航空会社など
    コロナ禍により業績が急降下し、何らかのリセットを要すると予測される業種
  2. 自動車メーカーや建設会社など
    ビジネスモデルを変革し、回復に一定期間を要すると予測される業種
  3. 製薬会社やIT企業など
    コロナ禍による新たなニーズを受け、業績が向上すると予測される業種
  4. アパレルや食品メーカーなど
    生活必需品を取り扱うため、消費が戻れば業績も回復すると予測される業種

執筆者

有限責任あずさ監査法人
リスクマネジメント部
パートナー 細井 友美子
マネジャー 池羽 芳郎

Digital Innovation部
テクニカル・ディレクター 宇宿 哲平
アシスタントマネジャー 近藤 聡

株式会社KPMG FAS
フォレンジック部門
ディレクター 佐野 智康