金融庁、「新型コロナウイルス感染症の影響に関する企業情報の開示について」を公表
金融庁は2020年5月21日、「新型コロナウイルス感染症の影響に関する企業情報の開示について」を公表しました。
金融庁は2020年5月21日、「新型コロナウイルス感染症の影響に関する企業情報の開示について」を公表しました。
新型コロナウイルス感染症に関連して、経営者の視点による充実した開示を行うことが、投資家の投資判断や投資家と企業との建設的な対話、資本市場の信頼性の向上などの観点から重要であるとして、有価証券報告書における以下の開示の充実を求めています。
I. 財務情報における追加情報の開示
企業会計基準委員会が公表した議事概要「会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方」(2020年4月10日公表、5月11日追補)を踏まえ、新型コロナウイルス感染症の影響のように不確実性が高い事象については、財務情報である追加情報において、会計上の見積りに用いた仮定をより具体的に開示することが強く期待されるとしています。
II. 非財務情報(記述情報)の開示
2020年3月期から適用される改正開示府令において、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについて、当該見積り及び当該仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響などを開示することが求められるとしています。
また、「会計上の見積り」以外では、今般の新型コロナウイルス感染症の影響について、「事業等のリスク」における感染症の影響や対応策、「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(MD&A)」における業績や資金繰りへの影響分析、経営戦略を変更する場合にはその内容等の充実した開示を行うことが強く期待されるとしています。
III. 有価証券報告書レビューによる対応
金融庁が2020年3月27日に公表した有価証券報告書レビューの実施概要が更新され、改正開示府令に対応した非財務情報に対する法令改正関係審査の対象に、新型コロナウイルス感染症の影響に関する開示が含まれる旨が明記されたほか、上記 I.の財務情報における追加情報の開示についても審査対象に含める旨が公表されています。
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執筆者
有限責任 あずさ監査法人
会計プラクティス部