ASBJ、企業会計基準第30号「時価の算定に関する会計基準」等を公表
ポイント解説速報 - 企業会計基準委員会(ASBJ)は、2019年7月4日、企業会計基準第30号「時価の算定に関する会計基準」等を公表しました。
ASBJが、2019年7月4日に公表した「時価の算定に関する会計基準」の概要を解説します。
Article Posted date
11 July 2019
我が国の会計基準では、時価の算定が求められているものの、算定方法に関する詳細なガイダンスは定められていませんでした。一方、国際会計基準審議会(IASB)及び米国財務会計基準審議会(FASB)は、公正価値測定及び開示について類似する規定が存在します。これらの国際的な会計基準の定めとの比較可能性を向上させるために、ASBJは、主に金融商品の時価に関するガイダンス及び開示に関して検討を重ね、本会計基準等を公表しました。本会計基準等は、国内外の企業間における比較可能性を向上させる観点から、IFRS第13号「公正価値測定」の定めを基本的にはすべて取り入れる一方、これまで我が国で行われてきた実務等に配慮したその他の取扱いを定めています。また、IFRS第13号で要求される一部の開示項目については注記を要求していません。
ポイント
- 金融商品及びトレーディング目的で保有する棚卸資産の時価算定に関するガイダンスや開示を定める会計基準等の新設及び既存の会計基準等の改正である。
- IFRS第13号における「公正価値」と同様の定義が「時価」の定義として導入されている。この結果、その他有価証券について、期末前1ヵ月の平均価額の使用が禁止された。
- 時価の算定に用いるインプットはレベル1からレベル3に分類され、レベル1から優先的に使用する。算定された時価は、その算定において重要なインプットのレベルに応じて、レベル1の時価からレベル3の時価に分類し、レベルごとの内訳など新たな事項を注記することが要求される。
- 2021年4月1日以後開始する事業年度の期首から適用する。ただし、2020年4月1日以後開始する事業年度の期首、又は、2020年3月31日以後終了する事業年度における年度末から早期適用することもできる。
- 適用にあたって経過措置が定められている。
ポイント解説速報PDFの内容
I.本会計基準等の概要
- 公表された会計基準等
- 適用範囲
- 時価の算定
- 第三者から入手した相場価格の利用とその他の取扱い
- 時価を把握することが極めて困難な商品の取扱いと市場価格のない株式等の取扱い
- 開示
- 四半期財務諸表における開示
II.適用時期等
- 適用時期
- 経過措置
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執筆者
有限責任 あずさ監査法人
会計プラクティス部
#日本基準/棚卸資産 #日本基準/金融商品 #日本基準/減損・公正価値測定