KPMG Ignition Tokyo(KIT)には「AI Study Group」という、KITのデータサイエンティストを中心としたAI技術に関する勉強会があり、毎週1回社内の誰でも参加が可能なオープンな場で、様々なトピックについてディスカッションしています。今回は、この勉強会の誕生秘話や現在の活動について、Talent Management Teamの川野がData/AI Guild Leader, Senior Scientist のHaiyang Pengに話を聞きました。インタビューを通して見えてきたKITの魅力をお伝えできればと考えています。

AI Study Group はどうやって始まった?

Data/AI Guild Leader, Senior Scientist Haiyang Peng

Data/AI Guild Leader, Senior Scientist Haiyang Peng

川野:私がKITで働き始めてからもう一年以上たちますが、そのころにはすでにこの勉強会がありましたよね。本日はAI Study Groupについて詳しく聞きたいと思います。まず初めにこのStudy Groupを始めたきっかけを教えて頂けますか?

Haiyang:私が入社したばかりの頃、KITにはまだデータサイエンティストがそんなに大勢所属していませんでしたが、会社は当時すでにAIソリューションの様々なビジネスチャンスを強く認識していました。また、エンジニアチームでもプロジェクトでいくつかのAIテクノロジーを使用しており、組織全体としてAI知識を深めたい、というニーズがありました。そこで私は入社後2カ月目にして、現在のStudy Groupを立ち上げることになったのです。データサイエンティスト向けの専門的な勉強会ではなく、『AI技術の基礎をより体系的に理解し、チームを越えて継続的に学び合いの場を持つこと』を目的としました。そこから得た知識をKITのプロジェクトやテクノロジー開発に活かしたい、と考えたからです。そのため、ソフトウェアエンジニアやUX/UIデザイナー、リサーチャーと幅広い人達が参加し、またマネジメントチームの皆さんの大きな支援もあり、この勉強会は始まりました。

データサイエンティストだけでなく、この勉強会は誰でも参加できます。最初はデータサイエンティスト自体が少なかったので、今のようなチームもありませんでした。そんな中で、AIをある程度理解しているエンジニアが講師をしたり、基礎を理解するために海外大学が授業で扱っている内容をやったりと、当時から「最新技術を学びたい」という意識はとても強かったように思います。データサイエンスの分野では技術も日進月歩で新しいものが誕生しています。一人でこの流れについて行くのは大変なので、チーム全体で勉強し、自分が分からないところや解決できない部分を全員で共有し進んだ方が、断然効率的です。

AI Study Groupが目指すもの

川野:立ち上げ当初の目的としては会社全体のAI技術に関する知識の底上げだったという事はよくわかりました。そこから2年ほど経ちましたが、この勉強会はどのような位置づけなのでしょうか?

Haiyang:基本的には2つあります。1つ目は、新しい才能発見の場になれば良い、という事です。私たちは組織に属しているので、基本的にはアサインされたプロジェクトを担当することになります。しかし、実際には「実はNLP(自然言語処理)も興味があってずっと勉強してるんだよね」という人がいたりします。この勉強会は、KITのメンバーにとって、自分の能力や関心事を気軽に話し合える場となればいいな、と思います。そこから、将来やりたいプロジェクトに繋げられるかもしれませんし、それがKIT全体の成長にも貢献すると思います。

もう1つは、将来的にやりたいことの準備になればいい、という事です。例えば、ソフトウェアエンジニアの人でも将来的にはデータサイエンティストになりたい、という人がいるかもしれません。そういう人にとって、この勉強会がAIやデータサイエンスについて学ぶきっかけになったり、また自分で何を新たに学ぶべきなのか…という指針になるのでは、と考えています。これは結果的には優秀な才能が社内で新しい活躍の場を得られるチャンスにもつながり、会社にとっても重要なことです。

AI Study Group

チームを次のステージへ AI Study Group 2.0

AI Study Group

川野:確かに、優秀な人材がやりたいことをできる場を提供できたら、会社にとっても理想的ですね。潜在能力の発掘と育成の場になるという観点から、非常に重要な取り組みと言えると思います。では、データサイエンティストのチームメンバーは、AI Study Groupではどんな風に活動をしているのでしょうか?以前とは違いますか?またトピックはどのように選んでいますか?

Haiyang:現在この勉強会はAI Study Group 2.0といっても良いと思います。大分進化しましたよ。現在はデータサイエンティストも大勢いますので、より高度で専門的な内容にシフトしています。オーガナイザーも私だけではなく、持ち回りで他のメンバーが担当する回もあります。扱うトピックに応じて講師を選んでプレゼンしてもらい、その後質疑応答セッションが行われます。トピックは、メンバーや講師からの提案、またはオンラインコースなどで自分が勉強した内容等から選ばれます。特に縛りは無く、自由に選ぶことができます。例えば、自学でわからない問題があった場合それを勉強会で提起して話し合う、という事も可能ですし、勉強の成果を発表することもできます。アサインされているプロジェクトに関連している必要も全くありません。このセッションで一番勉強になるのは講師自身ですね。発表するための準備をしっかりする必要があり、ここをいい加減にするととても鋭い質問が飛んできますし、フィードバックアンケートにも厳しいコメントが書かれてしまいます。率直な議論をするようにしているので、白熱したことも多くあります(笑)

川野:一度勉強会にお邪魔した時、ものすごく真剣なディスカッションで驚いた記憶があります。

Haiyang::確かに、初めて出席した人はびっくりするかもしれませんね(笑)みんな自分が分からない事や曖昧な事をそのままにするのが嫌なので、徹底的に話し合います。このチームは、データサイエンスという分野で常に最新の情報を知りたいという欲求が非常に強い人達の集まりなので、白熱した議論というのも当然なのかもしれません。新しい知識を得たいという好奇心が、ディスカッションやディベートでのメンバーの原動力になっているのだと思います。

川野:Haiyangの言う通りですね。進化を続けているAI Study Groupですが、今後はどのようなことを達成したいと考えていますか?

Haiyang::基本的な部分は変わりませんが、引き続きこの勉強会が討論・挑戦・発表・質問・ディベート・練習の場、もしくはただリラックスする場所となれれば良いな、と思っています。この場を通して、KIT内のあらゆる学習者を支援できることを強く願っています。もう少し踏み込むと、昨年から開始しているチームの研修プログラムの一環としても、この場を活用してもらいたいと思っています。例えば、自学でオンラインコースを受講したらそれで終わりにするのではなく、内容をこの勉強会で発表することによってその知識をより定着させる(いい加減に受講をしていると、言うまでもなくチームから厳しい質問が飛んでくるわけですが(笑))

川野:前からデータサイエンティストのチームはいつも面白そうなことをやっているな、と思って見ていました。Haiyangから見たチームの魅力はなんでしょう?また、今後チームとして何を目指したいと思っていますか?

Haiyang:一言でいうととても有機的です。個々の社員が高い専門性を持って組織の中で独立して活躍している一方で、チームとしてもしっかりまとまっています。メンバーの多様性を認め、コミュニケーションをしっかり取り協力するという文化はAI Study Groupでも育まれていると思います。

KITの代表でCEOの茶谷のビジョンを借りて説明すると、このチームの目指す姿はB.I.Gの三文字で表すことができます。1つ目はKPMGグループ内でトップクオリティのチームになる(Become)こと、2つ目はKPMGグループのビジネスに対して既存の方法論/パラダイムを革新(Innovate)すること、そして最後は期待値を超える(Go beyond)ことです。自分たちが学ぶ過程を楽しめるように工夫し、準備することが苦にならないようなAI Study Groupにすることが理想です。

川野:今日話を聞いて、このチームならできると強く思えました。今後もデータサイエンティストチームとAI Study Groupの活躍から目が離せませんね!今日はありがとうございました。

※記事中の所属・役職などは、記事公開当時のものです。

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