今や多くの病院で活躍している患者支援センターでは、入退院支援やベッドコントロールなどの機能を組み合わせたPatient Flow Management(PFM)の考え方が活かされています。しかし、PFMの誕生から時間が経過した今、外部環境の激変を受け、その機能を改めて見直す時期に来ています。

KPMGは、医療機関におけるPFMの機能高度化をはじめ、地域医療にも貢献し得る“地域PFM”としての展開に向けた支援を提供します。

Patient Flow Management(PFM)とは

患者の身体的、社会的、精神的背景を広く認識したうえでの円滑な入退院支援、病棟における業務負荷の軽減、および病床の効率的な運用の管理に加え、働き方改革にも活かすことができるなど、今後の病院経営に欠かせない管理手法の1つとしてKPMGは考えています。

Patient Flow Management(PFM)の機能高度化を通じた課題解決

アフターコロナにおける地域中核医療機関では、集患力の強化と増え続ける経費を上手くコントロールすることが必要です。病床稼働率がコロナ前の水準に戻りにくいなか、前方連携による集患の必要性に加え、在院日数短縮への対応や、退院支援の重要性も増しています。また、後方連携の際に患者をスムーズに送り出すには、受入れ先の医療機関との情報流通を円滑にしなければなりません。こうした課題を同時並行で解決するための業務設計が求められています。
KPMGは、医療機関の全体最適を通じた地域医療の全体最適を実現するため、デジタル技術を活用しながらPFMの機能高度化を支援します。

Patient Flow Management(PFM)の機能高度化で解決できる多くの課題

多様な機能があるPFMですが、その能力が十分に発揮できていない可能性があります。現場からは、取り組むべきことに手が回らない、業務の効率化が難しい、スムーズに情報連携ができない、などの声がよく聞かれます。

【患者支援センターで見られる課題】

  • 紹介をスムーズに受け入れることによる紹介元の満足度の向上
  • ベッドコントロールの一元化による病床数を最大限活用した高水準の病床稼働の維持
  • 外来・救急および院内の各部門と連携した、よりスムーズな患者受入れの実現
  • 後方医療機関との連携を、よりスムーズに行う切れ目のないケアの提供
  • 看護師や他のコメディカルが多職種間でより緊密に連携することによる患者満足度の向上

【課題を解決するPFMの多様な機能と効果】

  機能 効果
1 患者の理解・安心・安全 患者満足度向上・医療安全確保・在院日数短縮・病院の評判向上・病床稼働率向上
2 身体的・社会的・精神的リスクの評価 医療安全確保・在院日数短縮・病床稼働率向上・治療成績向上・未収金削減
3 看護1号用紙作成 病棟業務負荷軽減・タスクシフト・患者満足度向上・在院日数短縮・病床稼働率向上
4 ベッドコントロール 在院日数短縮・病床稼働率向上・医師業務軽減・看護業務軽減・病院収支改善
5 地域を含めた患者サービス 患者満足度向上・切れ目のない医療・前方/後方連携緊密化・情報流通円滑化

Patient Flow Management(PFM)の機能高度化に向けて医療機関が抱える課題

  • 経営層、企画部門等
    PFMは稼働しているが、機能高度化に向けて何から着手すべきか明確でない(医療機関として取り組むべき内容やその理由・根拠を明確に整理できていない)
  • 病棟担当医
    ベッドコントロールの権限を看護部に委譲するための意思決定が難しい(メリット・デメリットの比較検討が十分でない、診療科をまたいだ検討が難しい)
  • PFM部門
    人手やスペースに限界があり、これ以上の改善は難しい(増え続ける面談に遮音して対応できる場所の確保が難しい、改修に費用がかかる)

KPMGの支援

KPMGは、上記課題を解決し現場の理解と合意形成を行いつつ、実行と修正・改善を繰り返し、PFMの持てる力をさらに高める支援を提供します。

PFMの機能高度化支援_図表1

地域PFMを見据えた機能高度化

PFMは、医師、看護師、薬剤師、MSW(医療ソーシャルワーカー)、事務職など幅広い職種の力を合わせることで、より大きな効果を発揮するポテンシャルがあります。親切かつ先が見える病院として、患者とその家族へのさらなるサービス向上と地域医療の課題解決も見据えた「地域PFM」に向けた機能高度化が求められています。

PFMの機能高度化支援_図表2

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