病院で進む医師の働き方改革と並行し、コメディカルの働き方の見直しも進められています。そのなかで、院内最大数の職種である看護師における労働生産性向上への取組みは、病院全体の働き方改革に大きなプラスの影響を及ぼします。

KPMGは、医療機関における看護師の働き方改革が、モチベーションの向上、離職率の低下や採用コストの削減につながり、医療安全にも良い効果をもたらすなど、今後の病院経営改革の成否に直結するとの考えを基に、改革に取り組む病院、看護部/看護師を支援します。

看護の現場において高まる危機感

アフターコロナにおける地域中核医療機関では、患者数の落ち込みの回復に時間がかかり、病棟稼働率はコロナ禍前を下回っているケースがよく見られます。一度落ちた稼働率を引き上げるのは容易ではありません。周囲の病院も同様の課題を抱え、前方連携や救急対応の強化など、医業収入の落ち込みを回復させることが喫緊の課題となっています。そうしたなか、看護の現場では、情報収集力の低下、対人関係構築への悩みの増加、上がり続ける繁忙度のために離職してしまう中堅層の多さなどにより危機感が高まっており、看護の課題に病院として重点的に向き合う必要があります。

【看護の危機感】

  • 短縮する在院日数、複数疾患を持つ患者の増加、上がり続ける繁忙度
  • 部門間・病棟間の繁忙度の不均衡
  • 止まらない中堅層の離職、医療安全への不安
  • 減らない手作業、進まないシステム利活用
  • 増え続ける依頼・記録事項、減らない記録時間
  • 振り返りができず、モチベーションの維持が困難
  • 毎年ゼロベースが繰り返されるスタッフ教育
  • 看護部全体で揃わないベクトル、高まらない看護への信頼

看護師の働き方改革における課題

(1)経営層、企画部門等

看護師の働き方改革の必要性は認識しているが、進め方や得られる効果がわからない(看護部内の方針、取組み、課題や対策などを明確に理解できていない)

(2)看護部

看護部長、副部長、師長のベクトルが揃わず、一枚岩になりきれていない(看護部内で明確な意思決定ができず、協力して進められない)

(3)診療科・各部門

人手や勤務時間に限界があり、看護師に多くの業務を依頼できない(患者満足度と安全確保は重要であり、バーンアウトさせられない)

KPMGによる支援

KPMGは、上記の課題を解決することで、看護師にとって働きやすい環境の構築と病院の収支改善、安定雇用に向けたブランディングまでを支援します。

1.現状把握
  • 外来、病棟、手術室、救急、検査
  • 医療安全、PFM(Patient Flow Management)、ベッドコントロール
  • 部門方針、勤務時間、離職率、専門資格
2.意見交換
  • 病棟・外来・手術室などの部門内、および部門間の課題
  • 看護部と他部門間の課題
  • システム利活用における課題
  • 発言・討議の活性化
3.施策立案
  • 部門内で実施できる施策
  • 他部門との調整が必要な施策
  • 数字で把握できる効果の検討
  • 看護師による協議・提案
4.実行・管理
  • 意思決定、部内承認、院内承認
  • 告知・実行、調整・修正
  • 効果測定・可視化
  • ルール化・継続化

看護師の働き方改革は、さまざまな経路で病院全体にプラスの効果をもたらし、病院における医療の質の向上、患者からの信頼度の向上につながります。

【看護師の働き方改革により期待されるプラスの効果】

1.モチベーションの改善 病院全体が看護師を大切にしていると浸透することによる、モチベーションのさらなる向上
2.さまざまな負担の軽減 繁忙度の軽減、精神的負荷の軽減、時間外労働の短縮、離職率の低下と中堅層による教育力の維持
3.コストの削減 採用コストの低減、時間外労働の短縮、業務の標準化・効率化のさらなる進展
4.病院全体の働き方の改革 医師・コメディカルの働き方改革との相乗効果、医師の労働負荷の軽減、医療安全の向上
5.患者・職員満足度の向上 患者に対する観察力・感知力の維持・向上、医療の質の向上、医療安全の向上、患者・職員満足度の向上

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