企業不正調査における電子証憑改ざん検知ツール導入
KPMG FASは、企業における証憑の電子化が加速するなかで、PDF等の電子証憑の改ざんリスクを迅速かつ効率的に判断するツールを開発
KPMG FASは、企業における証憑の電子化が加速するなかで、PDF等の電子証憑の改ざんリスクを迅速かつ効率的に判断するツールを開発
KPMG FASの フォレンジック部門では、企業不正の調査において受領するPDF等の電子証憑の改ざんリスク等に対応するために、PDF等の電子証憑の改ざん検知を支援するツール「KaizanCheckBot_ai」を開発し、企業不正の調査支援業務に導入しています。
KPMG FASフォレンジック部門は、企業不正の調査支援を専門に手掛けるプロフェッショナル集団です。当ツールは、有限責任あずさ監査法人Digital Innovation部と共同開発したものです。KPMG FASフォレンジック部門では今後も、AIを活用した企業不正の調査プロセスのデジタル化を推進することで、不正調査業務の品質向上ならびに効率化を推進していきます。
開発の狙いと背景
1.不正調査における肉眼で発見できない電子証憑改ざんリスクへの対応
企業不正の調査において、証憑をPDF等の電子ファイルで受領するケースが多くあります。電子ファイルは容易に作成・編集することが可能なため、不正行為が行われている場合、電子証憑が改ざんされているリスクが高まりますが、電子証憑の改ざんを肉眼で発見することは一般的に困難といえます。よって、電子証憑の改ざんリスクへの対応は、不正調査における長年の課題でした。この課題を解決するために、KaizanChecktBot_aiが開発されました。電子ファイルの画像処理情報やプロパティ情報を活用し、不正調査担当者による証憑改ざんの兆候検知を支援します。
2.組織的な電子証憑改ざん不正への活用による不正調査の効率化
企業不正の中には、組織的に電子証憑を改ざんすることで行われる事例があります。従来、これらの不正を調査する際には、電子証憑を目視で全件精査する必要がありました。当該ツールを利用することで、全データについて改ざんが疑われる箇所の抽出と検出が自動で行われるため、効率的に調査を行うことが可能となります。
KaizanChecktBot_aiの概要
改ざん手法には様々なパターンが考えられるため、KaizanChecktBot_aiでは、それに対応する検出手法を複数適用し、改ざんのリスクが高い箇所を特定します。具体的には、検知対象の電子ファイルをKaizanCheckBot_aiに投入すると、肉眼では判別困難な編集作業の痕跡を浮かび上がらせるための画像処理や、ファイルに付されている日付等のプロパティ情報の抽出および検証を行います。不正調査の担当者はKaizanCheckBot_aiの処理結果を把握し、より詳細な調査につなげていきます。