労働生産性向上のための業務改善は喫緊の課題とされる中、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによりビジネスモデルが変化し、多くの企業がクラウド利用を主としたシステム基盤の構築を急速に進めています。
このような世情において、社会環境の変化に柔軟かつ迅速に対応でき、また高いITスキルが無くても現場主導でシステムを内製化できる「ローコード開発ツール」の有効性が高まっています。
KPMGは、企業のITリテラシーレベルを考慮しながら、ローコード開発ツールを最大限に活用できる組織設計から定着化までのロードマップを作成し、現場主体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を総合的に支援します。
「ローコード開発ツール」実装化の概念
従来は、関係者が集まり要件定義を行ったうえでベンダーを選定し、システム開発を外部専門業者に依頼することが一般的であり、実装までに多くの時間を要していました。
一方、ローコード開発ツールでは、ベンダーによる全社共通機能の一括導入は行わず、現場主体の内製開発によって日常業務などを簡易にシステム化することが可能です。
従来のシステム実装 | ローコード開発ツールのシステム実装 |
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・ウォーターフォール型の長期間にわたる導入 (企画~導入まで1年以上) |
・アジャイル型のクイックな導入 (企画~導入まで最短1ヵ月) |
・柔軟性に欠けるシステム | ・柔軟なシステム |
・ベンダーによる開発 | ・内製による開発 |
ローコード開発ツールの導入・展開の進め方
KPMGは、ローコード開発ツールをより効果的かつ継続的に全社で活用できるよう、ツールの導入だけでなく組織体制の構築から業務改善も含めた対象業務の選定、および導入後の定着化までを総合的に支援します。
全社的に推進するには、トップダウンで推進リーダーを任命し、ガバナンスを効かせた組織横断的な体制への変革が求められます。そこで、企業文化やITリテラシーを考慮したうえで幅広い視点からアプローチを検討し、その企業に適した体制を構築します。
推進体制構築のアプローチ
導入における戦略・ガバナンスおよび技術領域の検討
システム実装後も確実に運用するため、ローコード開発システムの特性や、現行のIT基盤環境および現場社員のITリテラシーレベル等も踏まえたうえで、戦略・ガバナンスから技術領域まで全社的な視点でローコード開発ツール導入に係る検討を行います。
システム化対象となる業務の選定
標準パッケージシステムの導入では、システムに業務を合わせる手法が主流ですが、このような対応が難しい紙ベースの申請などの現場独自にサイロ化された業務が、ローコード開発ツールによるシステム化対象として適しています。現行業務の可視化・見直し(シンプル化)を図りながら有効な業務領域の選定を行うことが重要です。
ローコード開発ツール導入に有効な業務領域
KPMGによる展開ロードマップ策定支援
今後のDX戦略および、自社の業務環境とリモートワークやクラウドなどのシステム環境を十分に考慮し、多面的な施策の連携をもって適切なゴールを設定することが重要です。
KPMGは、システムおよびガバナンスの観点から、企業が目指すあるべき姿の定義と実現プランの策定を支援します。
フェーズ1:導入計画 | フェーズ2:BPR/構築 | フェーズ3:PoC/展開 | |
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ヒト・体制 |
・推進体制の整備
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・実行/運用体制の構築 | ・教育/チェンジマインド |
企業文化やITリテラシーを考慮した組織横断的な推進体制の整備 | 推進体制をもとに、要員スキルを考慮した導入体制および導入後の運用体制の構築 | ローコード開発ツール維持・運用に対する現場社員向け教育/チェンジマインド | |
業務 | ・システム化対象業務の選定 | ・現行業務のBPR (シンプル化) |
・業務のDX化 |
現行業務を可視化し、ローコード開発ツールを最大限活用可能なシステム化対象業務を選定 | 現行業務の見直しによる業務プロセスのシンプル化 | PoC(概念実証)を行いながら、業務システムの内製開発を実施/業務展開 | |
システム | ・ツール選定方針 | ・ツールの選定・基盤構築 | ・展開/定着 |
現行のITインフラ/システム環境等を考慮し、企業に適したツール選定/展開方針の策定 | 最適なローコード開発ツールの選定および提供基盤の構築 | ローコード開発ツールの維持管理ルールの定義、およびツールの利用/開発における維持・定着化 |