【第70回~TCFDを旅する~】3分解説シリーズ CSRD開示削減:オムニバス法案に含まれる任意の開示基準「新VSME」とVC(バリューチェーン)
オムニバス法案に含まれる任意のサステナビリティ開示基準「新VSME」のポイントを解説します。
オムニバス法案に含まれる任意のサステナビリティ開示基準「新VSME」のポイントを解説します。
Article Posted date
10 July 2025
オムニバス法案ではCSRD/ESRS開示の対象となる企業の要件を緩和していますが、そのうち従業員数については1000名超としています。その一方で、CSRD/ESRS開示の対象にならない企業に対するサステナビリティ開示の任意の開示基準を、2024年12月にEFRAGからEC(欧州委員会)に提出されたVSME(Voluntary Sustainability Reporting Standard for non-listed SMEs)に基づいて開発することになっています。これを新VSMEと仮称すると、新VSMEはオムニバス法案においてVCC(Value Chain Cap)と関連付けられています。VCCはサステナビリティ開示企業がVC上の企業からサステナビリティ情報を入手する際に、その範囲の上限を画する考え方です。オムニバス法案は新VSMEをその上限として定めています。新VSMEに基づくVCCはEU域外企業にも適用される可能性があり、本邦企業は留意する必要があります。
なお、オムニバス法案の経緯や詳細については、拙稿 “CSRD開示25%削減:EUオムニバス法案のポイント”(KPMG Insight Vol. 72)をご参照ください。