私たちは大転換(Great Reset)の最中にあります。保護主義やナショナリズムが台頭し、経済は再構築されつつあります。アライアンスやサプライチェーンが再編され、気候災害は発生頻度が増加しており深刻さを増しています。そして、社会的な期待や規範も見直されつつあります。
この抜本的な変化の渦中において、意思決定者は明晰な判断力とリスクを取る覚悟が求められます。時として、断片的な情報のなかで迅速かつ重大な決断を下さなければなりません。問題点ばかりに目を向けすぎると流れに乗り遅れる可能性が高まります。コラボレーションがより一層重要となり、先見性あるリーダーが求められています。
「インフラ市場に係る展望」シリーズは、公共および民間のインフラ事業者が未来を見据えて思考を深めるための議論を促すことを目的としています。本稿は、最新版「インフラ市場に係る展望 2025年版」抄訳版として、KPMGのプロフェッショナルが考える、今後1年間でインフラセクターに影響を与える10のトレンドを紹介しています。
2025年の10のトレンド
トレンド1:資金調達 ~大規模民営化の時代
今年は、国家間で「ペイシェントキャピタル(長期投資資本)」を呼び込むための獲得競争が激化すると予想されます。
トレンド2:サプライチェーン ~標準化の模索
サプライチェーンにおける標準化の未整備は、コスト上昇を招き、効率性を損ない、環境にも悪影響を与える可能性があります。
トレンド3:サステナビリティ ~理念と現実のズレの調整
サステナビリティは、もはや理念としてではなく「ビジネス上の賢明な選択」として捉えられつつあります。
トレンド4:デジタル化 ~デジタルツインの価値創出
何十年も議論されたデジタルツインは、ついに実現に向けた準備が整いつつあります。
トレンド5:新たなアセットクラス ~スマートインフラとスマート戦略
インフラ資産がより高度化するなかで、資産管理もより柔軟で動的なアプローチが求められています。
トレンド6:建設 ~イノベーションの開放
エンジニアリング企業・建設企業は、より少ない資源でより多くを実現することを強く求められており、かつてない圧力にさらされています。
トレンド7:レジリエンス ~油断への警鐘
資産の所有者や運用者は、自らのポートフォリオの健全性や耐用年数に関する前提を再評価する必要があります。
トレンド8:能力強化 ~インフラ整備の実現
将来のインフラ需要に対応するためには、グローバルな建設供給能力の抜本的な見直しが求められています。
トレンド9:エネルギー転換:現実主義の重視
エネルギー転換は、経済的合理性を重視する新たな局面へと移行しつつあります。
トレンド10:海運 ~好景気の終焉?
過去4年間、海運企業とその投資家は好況を享受してきましたが、その勢いも徐々に落ち着きつつあります。
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