Article Posted date
29 May 2025
本連載は、2025年4月より日刊自動車新聞に連載された記事の転載となります。以下の文章は原則連載時のままとし、場合によって若干の補足を加えて掲載しています。
1.モータリゼーションの経験則
2.東南アジアの自動車市場
東南アジア主要5カ国の四輪車市場は2024年に前年比8%減の306万台となりました。マレーシア、フィリピン、ベトナムで伸びた一方で、タイおよびインドネシアで減少。タイでは同26%減の57万台となり、2010年以降で初めて60万台を下回りました。インドネシアでは同14%減の87万台となり、3年ぶりの100万台割れとなりました。
長期トレンドを振り返ると、当該5カ国の四輪車市場は、2013年に約350万台に拡大した後、それを下回る状況が10年以上続いています。タイとインドネシアの市場停滞が原因です。タイでは、初めての自動車購入者を対象とする優遇措置により2012年に過去最高の144万台に増加した後、家計債務などを理由に停滞しています。また、インドネシアでは2013年の123万台に届かない状況が続いており、この背景には中間所得層が増えていない可能性が指摘されます(図表1)。
【図表1:東南アジアにおける自動車市場】
出所:各公表データを基にKPMG作成
3.東南アジアのモータリゼーション
【図表2:東南アジアにおける乗用車普及率・経済発展度】
出所:各公表データを基にKPMG作成
4.二輪車の影響
5.自動車メーカーの東南アジア戦略
日刊自動車新聞 2025年5月19日掲載(一部加筆・修正しています)。この記事の掲載については、日刊自動車新聞社 の許諾を得ています。無断での複写・転載は禁じます。
執筆者
KPMGコンサルティング
マネジャー 中田 徹