ライフサイエンス業界の未来は、テクノロジーを活用したコネクティビティ、人工知能(AI)の戦略的利用、患者中心のサプライチェーンによって形作られるものと考えられます。

今日、ライフサイエンス企業に求められているのは、イノベーションの加速、透明性の高い薬価設定、利益を超えた、社会的な存在意義(パーパス)です。一部の企業は、現在の経済の嵐をしのぐために身を潜めていますが、先を行く企業は、ステークホルダーの期待に応え、脅威を予測し、データ主導のインサイトを活用して市場で勝ち抜くため、自社のオペレーティングモデルを再考しています。

本レポートでは、KPMGの専門家が、ライフサイエンス業界の未来を表す4つの主な変化の兆しと、4つの戦略的インペラティブ(必須事項)について検討します。

ライフサイエンス業界における変化の兆し

  • 精密医療(プレシジョンメディシン)はもはや現実味のない願望ではありません。精密医療により、一連の患者ケアに直接組み込まれつつあります。
  • デジタルヘルスは、より良いヘルスケアエクスペリエンスへの消費者の期待に応える新たなイノベーションを導入する際の、ライフサイエンス企業の能力の中核となります。
  • AIと機械学習は研究開発と医療技術の開発を向上させていますが、その可能性を最大限に活用するためには、セキュリティ対策が不可欠です。
  • サプライチェーン、サイバー攻撃、偽造など、重大なリスクは依然として存在します。

戦略的インペラティブ(必須事項)

  • 保険者、医療従事者、患者のニーズを満たすために、テクノロジーを活用した顧客中心のエクスペリエンスを設計
  • 市場投下までの時間を短縮するために、特化型スタートアップからビッグテックまで、さまざまなAI企業とのAIパートナーシップを構築
  • サプライチェーンの再考による、よりコネクテッドな顧客体験の実現や新しい治療法・精密医療をサポートし、混乱のリスクを軽減
  • AI、ML、クラウド、産業用loTなど、新しいテクノロジーに関連するサイバーリスクを管理

KPMG Connected Enterprise
KPMGのプロフェッショナルは、テクノロジーを活用してコネクテッドエンタープライズを構築するための支援を提供します。コネクテッドエンタープライズとは、フロントオフィス、ミドルオフィス、バックオフィスが連携しており、顧客、従業員、ビジネスパートナーとよりつながりのある事業です。市場のシグナルに迅速に対応し、チャンスが到来した際に方向転換ができる事業のことです。

KPMGコネクテッドエンタープライズは、業界ごとにカスタマイズされた、顧客中心のデジタルトランスフォーメーションのためのアプローチです。デジタル世界で顧客の期待に応え、ビジネス価値を創造し、持続可能な成長を推進するうえで、重要なビジネスのプロセス、機能、関係に焦点を絞ることを支援します。

※本稿は、本レポートは、KPMGインターナショナルが2023年9月に発行した「The future of life sciences:Pressing issues and critical imperatives that will shape the new model for the industry – the connected life sciences company」を翻訳したものです。翻訳と英語原文に齟齬がある場合には、英語原文が優先するものとします。

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