報告セグメントの収益及び費用の開示(IFRS第8号)-IFRS-ICニュース

IFRS解釈指針委員会ニュース -「報告セグメントの収益及び費用の開示(IFRS第8号)」については、2023年11月のIFRS-IC会議において新規に取り上げられました。

「報告セグメントの収益及び費用の開示(IFRS第8号)」については、2023年11月のIFRS-IC会議において新規に取り上げられました。

概要

委員会は、各報告セグメントについてセグメント純損益に関連する所定の金額を開示するために、企業がIFRS第8号第23項の要求事項をどのように適用するかについて、以下の質問を受取りました。

  • IFRS第8号第23項(a)から(i)の所定の金額が最高経営意思決定者(CODM)によって個別に検討されていない場合に、当該金額を各報告セグメントについて開示することを要求されるかどうか
  • IFRS第8号第23項(f)で定めている金額をIAS第1号「財務諸表の表示」第97項以外のIFRS会計基準の要求事項を適用して表示又は開示している場合に、当該金額を各報告セグメントについて開示することを要求されるかどうか
  •  企業はIFRS第8号第23項(f)における「重要性がある項目」をどのように決定するか、特に、(i).「重要性がある項目」は質的に重要性がある項目のみであるのかどうか、(ii).「重要性がある項目」には、個別には量的に重要性がない項目の集約である金額が含まれるかどうか、(iii).当該重要性の評価は純損益計算書のレベルで(全体的な報告企業の視点から)行われるのか、セグメントのレベルで行われるのか

ステータス

委員会の暫定決定

委員会は、IFRS第8号第23項は、所定の金額をたとえCODMが別個にレビューしていなくても、CODMがレビューしているセグメント別純損益の測定値に含まれている場合、又は当該金額がCODMに定期的に提供されている場合には、当該金額を各報告セグメントについて開示することを企業に要求していると考えました。

また、委員会は、IFRS第8号第23項(f)を適用するにあたり、次のように考えました。

  • IAS第1号第7項を適用して、情報の開示が財務諸表全体としての文脈において重要性があるかどうかを評価する。
  • 財務諸表において情報を集約する方法を考慮するにあたり、IAS第1号の第30項から第31項の要求事項を適用する。
  • 収益及び費用の項目に重要性があるかどうかを評価するにあたり、情報の性質若しくは規模又は両者を表す、定性的要因と定量的要因の両方を考慮する。
  • ある収益又は費用の項目について、当該項目がIAS第1号の第97項以外のIFRS会計基準における要求事項を適用して表示又は開示されているのかどうかを考慮せずに、開示を検討する。

以上より、委員会はIFRS会計基準上の扱いは明らかであるとして、本件に対処するための基準設定プロジェクトを作業計画(アジェンダ)に追加しないことを暫定的に決定しました。

暫定的なアジェンダ決定の詳細については、ASBJのサイトに公開されているIFRIC Update(2023年11月)をご参照ください。

コメント期限

2024年2月5日

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