コーポレートガバナンス改革では、「稼ぐ力」が低迷した日本企業の企業価値向上を図ることを主眼に置き、国をあげて取り組んでいます。2022年7月には「コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針」(以下、「CGSガイドライン」という)が改訂され、一層、後押ししようとしている様子が伺えます。
一方、機関設計を変更する企業も増加傾向ではあるものの、外形的な対応にとどまっているケースも見られます。ガバナンススタイルは、自社の置かれている環境、ミッション・パーパス、サステナビリティ戦略、中長期的な戦略方針などによってさまざまな形となります。これらを総合的に勘案し、実効的なガバナンスの在り方を検討したうえで、それを体現するために必要となる機関形態を選択することが重要です。
本稿では、コーポレートガバナンス改革の流れを振り返ったうえで、ガバナンスの在り方を考える際に重要だと考えられる検討要素について検討例を交えて解説します。
なお、本文中の意見に関する部分については、筆者の私見であることを、あらかじめお断り致します。
POINT 1:企業価値向上に向けたガバナンス改革を国も後押ししている 「稼ぐ力」が低迷した日本企業の企業価値向上を図るため、国はコーポレートガバナンス改革に取り組んでいる。2022年に改訂された「CGSガイドライン」では、ガバナンス体制や機関設計の選択の考え方を示した。 POINT 2:自社に適したガバナンススタイルの検討 ガバナンススタイルの検討にあたっては、自社の置かれた環境を踏まえ、ミッション・パーパス、サステナビリティ戦略、中長期の戦略方針などを多面的・総合的に勘案のうえ、自社に最適なガバナンススタイルを検討するとともに、取締役間でも認識を合わせる必要がある。 POINT 3:ガバナンススタイルを体現するための機関設計に向けた検討 機関設計の変更を目的化することなく、自社のガバナンススタイルの体現のために必要な機関形態を決めていくための検討要素を明確化し、十分な議論をしたうえで納得感をもって選択することが重要である。 |
I はじめに
「コーポレートガバナンス・コード」(以下、「CGコード」という)が2015年に施行されてから8年余り。社外取締役の増員など外形的な改革が一定水準まで引き上げられ、日本企業のコーポレートガバナンス改革に対する意識は定着してきているように思えます。一方で、自社としての意義を見出し、納得して進めている企業と、CGコードやその他ガイドラインの要請へ形式的に応えることが目的化してしまい、対応に疲弊している企業に分かれてきていると感じます。
本稿では、改めて日本のコーポレートガバナンス改革の契機や動向を振り返るとともに、自社にとって最適なガバナンススタイルを考え抜いている企業の特徴などを紹介し、今後の改革のヒントを提示したいと思います。
II コーポレートガバナンス改革と機関設計の関係
1. コーポレートガバナンス改革の流れ
わが国のコーポレートガバナンス改革は、「『日本再興戦略』改訂2014」において、日本の「稼ぐ力」を取り戻すための主要施策の1つとして上場会社のコーポレートガバナンスに関する基本的な考え方の諸原則をCGコードとして取りまとめたことに端を発します(図表1参照)。改正会社法やCGコードの施行によってコーポレートガバナンスの枠組みが大きな進展を遂げた2015年は、「コーポレートガバナンス改革元年」としても知られています。
2016年頃より、コーポレートガバナンス改革の形式から実質への深化として、ベストプラクティスを示した実務指針の策定や各コードの改訂などが相次いで行われました。2021年以降は、市場再編により、わが国を代表する優良な企業が集まるとの位置づけであるプライム市場が創設され、プライム市場上場会社を中心にこれまでより一段高いガバナンスを目指すことが求められています。
一連のコーポレートガバナンス改革は、「持続的成長に向けた企業の自律的な取組みを促す」ことが目的であり、企業の持続的な成長と中長期的な価値の向上、ひいては日本経済の成長や国民の安定的な資産形成を目指し、現在も改革は日々進められています。
【図表1:コーポレートガバナンス改革の流れ】
2. 監査等委員会設置会社制度の創設
CGコードが適用された2015年当初、多くの上場会社は監査役(会)設置会社を採用していました。取締役会を業務執行の監督機関として位置付けるモニタリングモデルを意識した会社形態は、委員会等設置会社として2002年から存在(現在の指名委員会等設置会社)していましたが普及しませんでした。
普及しない背景として、委員会の権限がきわめて強く、指名・報酬委員会の決定を取締役会で覆すことができないなど、運営面での困難を指摘する声が多くありました。そのような状況において、第三の会社形態として監査等委員会設置会社(平成26年会社法改正)が創設されました。本会社形態は規制が柔軟であり、会社側の選択の余地が広く、自社の意志によってマネジメントモデル、モニタリングモデルいずれのスタイルも取り得るという特徴があります。
3. 指名委員会・報酬委員会の活用と定着
指名委員会・報酬委員会については、社外取締役の関与を強めるとともに、メンバーを絞った効率的な議論の観点からも有用であるため、上場会社は委員会の設置有無およびその具体的な仕組みを検討することが望ましいとされています(CGSガイドライン)。
特に、現状の機関設計を維持する場合でも監督機能の強化が図られるよう、任意の仕組みの活用が強く推奨されています。2018年のCGコード改訂において、あくまで例示とされていた任意の諮問委員会の設置・活用が例示ではなくなり、委員会を設置しない場合はエクスプレインの対象となったことで、指名委員会・報酬委員会の設置が一気に加速しました。
4. 社外取締役の設置と活用
社外取締役の設置については、2019年の会社法改正において、上場会社に対し社外取締役の設置が義務付けられました。この改訂には「我が国の資本市場が信頼される環境を整備し、上場会社等については、社外取締役による監督が保証されているというメッセージを内外に発信する」(法務省「令和元年12月11日公布 会社法が改正されます」)という思いが込められています。
東京証券取引所の上場規則においても、一般株主保護のために、社外取締役より要件が厳しい「独立役員」を1名以上確保すべきことが義務付けられています。2021年のCGコード改訂でも、プライム市場上場会社は独立社外取締役を3分の1以上選任することが要求されており、市場区分などにかかわらず、経営環境や事業特性等を勘案して必要と考える場合には独立社外取締役の過半数の選任の検討が求められています(2021年改訂CGコード原則4-8)。
また、設置した社外取締役を有効に活用するため、CGコードにはその役割・責務が定義されています(CGコード原則4-7)。上場会社は、社外取締役への期待事項を明確にし、必要な議論を行う機会を作ると同時に、十分な情報提供を行うなどのサポートをすることで、社外取締役の役割を十分に発揮させるための配慮が求められます。
なお、前述した取締役会下の指名委員会・報酬委員会についても、独立性の確保が十分でないこと、国際的に比較してもその独立性をさらに高めることが重要であるとの指摘(2021年「コーポレートガバナンス・コードと投資家と企業の対話ガイドラインの改訂について」)を踏まえ、特にプライム市場上場会社では、基本的に委員会の構成員の過半数を独立社外取締役とすることが求められています(CGコード補充原則4-10(1))。
5. 独立社外取締役が取締役会に占める割合と機関設計の推移
こうした流れを踏まえ、実際に日本企業における独立社外取締役数は著しく増加しています。独立社外取締役が取締役会の3分の1以上を占める割合(過半数を含む)は、コーポレートガバナンス改革以前の2012年には市場第一部の6.5%でしたが、2020年には58.8%にまで大きく上昇しました(図表2参照)。
【図表2:独立社外取締役が取締役会に占める割合】
また、監査等委員会設置会社の割合の増加も見られます。市場第一部における監査等委員会設置会社の割合は監査等委員会設置会社制度の創設直後の2016年には18.1%でしたが、市場再編後のプライム市場では2023年1月末時点で39.1%にまで上昇しています(図表3参照)。2016年から2023年にかけて、指名委員会等設置会社の割合がほとんど変わっていない一方で、監査役(会)設置会社の割合は低下していることから、監査役(会)設置会社から監査等委員会設置会社への移行は機関設計変更のトレンドであると考えられます。これにより、データには現れていないものの、現在移行の検討段階にある企業も一定数存在することが推測されます。
【図表3:機関設計の推移】
6. 機関設計見直しの機運の高まり
中長期的な企業価値向上に資する投資の拡大やリスクテイクの活性化を意識して改訂されたCGSガイドライン(2022年7月改訂)では、取締役会による「監督」の意義や機関設計の選択に関する考え方が整理され、モニタリング機能を重視したガバナンス体制の有益性に関しても言及されています。また、監査等委員会設置会社に移行する流れが強まっていることを踏まえ、監査等委員会設置会社へ移行する際の視点が別紙として取りまとめられたことも注目に値します。
執行のスピードとリスクテイクの必要性、社外取締役の増加により取締役会に求められるものが変容することを踏まえ、執行への大幅な権限委譲を行い、取締役会を監督機能に特化させることが十分に検討されるべきなどの提言を契機に、改めて機関設計の見直しの検討機運が高まっています。
実際に、機関設計見直しに関わる企業からの悩みを聞く機会も増えており、「機関設計の変更ありき」ではなく、自社に適したガバナンススタイルの方針を決めたうえで、それにマッチした機関設計を選択していくことが望まれます。
III ガバナンスモデルと日本における3つの機関設計
1. 2つのガバナンスモデル(マネジメントモデルとモニタリングモデル)
2022年7月に改訂されたCGSガイドラインでは、取締役会の典型的な姿として、次の2つに大別されるとしています。
- 取締役会の意思決定機能を重視しつつ取締役会内外の監督機能の強化を志向するモデル
- 取締役会を監督に特化させることを志向するモデル
本稿においては分かりやすさの観点から、取締役会の意思決定機能を重視する1つ目を「マネジメントモデル」、モニタリング機能を重視した2つ目を「モニタリングモデル」と呼ぶこととします。
CGSガイドラインにおいて、モニタリングモデルは権限委譲を通じて経営者の権限・責任の明確化や選解任・報酬を通じた評価により健全なリスクテイクが促されるとされています。一方、マネジメントモデルは個別の業務執行の決定に取締役会が関与するため、社外役員の比率・数を高めていく場合には意思決定スピードを損なわないための運営上の工夫が必要とされています。
自社が置かれている状況に適したコーポレートガバナンスを自覚的に選択すべきとしたうえで、取締役会、経営陣、委員会、事業部門等の役割分担を明確化することで、執行側の機能強化と監督側の機能強化を車の両輪として推進し、大胆なリスクテイクを後押ししていくことが例示されています。
2. ガバナンスモデルと日本における3つの機関設計の関係
上場会社における機関設計は、主に「監査役(会)設置会社」、「監査等委員会設置会社」、「指名委員会等設置会社」の3つがあります。
監査役(会)設置会社は、「業務監査を行う監査役を置く株式会社」または「会社法の規定により監査役を置かなければならない株式会社」です。会社法上、取締役会が業務執行を決定する機関として位置付けられたうえで、具体的な業務執行の決定をさせることを通じて取締役会の監督機能を充実させることを求められています。
マネジメントモデルは、「個別具体的な業務執行事項を取締役会で決定することが想定されているため、自ら決定した事項を自ら監督する問題が生じる。したがって、監査役が独立性を維持するために取締役会の決議に参加してはいけないこととされている監査役(会)設置会社の制度になじむ」とされています。
監査等委員会設置会社は、監査等委員会を置く株式会社で、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役が区別して選任されます。CGSガイドラインにおいて、監査等委員会設置会社は、重要な業務執行の決定の取締役への委任が可能、社外監査役に加えて社外取締役を選任する場合の負担感・重複感の解消、海外投資家から理解されやすいガバナンス体制の構築が可能などのメリットが考えられるとされています。また、社外取締役を増やそうとする企業などが監査等委員会設置会社に移行する流れが強まっているとも言及されています。
指名委員会等設置会社は、指名委員会、監査委員会、報酬委員会の3つの委員会を置く株式会社で、委員の過半数が社外取締役で構成されることが求められています。なお、CGSガイドラインにおいて、現行の会社法では、社外取締役が取締役会の過半数を占める場合でも、指名委員会・報酬委員会の決定を覆すことができない規律となっている点については、指名委員会等設置会社では社外取締役が取締役会の過半数を占めることも一般的となっていることを踏まえ、制度を見直す余地があるのではないかという意見があったと言及されています。
監査等委員会設置会社および指名委員会等設置会社の取締役会は、会社法上、重要な業務執行決定を広範に取締役などに委任することができることから、モニタリングモデルを志向しやすいと言われています(本稿では、2022年7月19日に経済産業省より公開された「コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針」を基に一部引用し、KPMGにて加工した内容を含む)。
【図表4:ガバナンスモデルと日本における3つの機関設計】
Ⅳ 自社に適したガバナンススタイルを目指すための検討
1. ガバナンススタイルを考えるための要素
近年、監査役(会)設置会社から委員会型へ変更する企業が増えつつありますが、必ずしも機関設計の変更だけが、企業が抱える課題への対応策とは限りません。まずは自社の持続的な成長・企業価値向上のための最適なガバナンススタイルとは何かについて丁寧に議論し、納得感をもって機関形態を選択、ステークホルダーに対しても説得的な説明をできるようにすることが重要です。
そして、最適なガバナンススタイルを検討するにあたっては、図表5に示した6つの要素があると考えられます。これらの要素は、内外の視点から会社の在り方を決定づける重要なポイントであり、要素ごとに「どのようなものか」、また「どうなっていたいか」を明確化する必要があります。さらに、それらを実現するために必要なガバナンスの在り方を考え、自社のガバナンススタイルを具体的に検討していくことが重要と考えます。
【図表5:ガバナンススタイルを考えるための要素】
# | 要素 |
---|---|
1 | パーパス・ミッション |
2 | 中長期的な戦略方向性 |
3 | 経営の時間軸 |
4 | 事業構造の複雑性 |
5 | 内外環境のリスク |
6 | ステークホルダーの期待 |
出典:KPMG作成
2. ガバナンススタイルの検討例
ガバナンススタイルを考えるための要素を踏まえた具体的な検討例を次に示します。なお、本検討例は特定企業の事例ではなく、複数の事例などから本稿での説明用に作成したものです。
- 事例1:現在の機関設計を維持し、モニタリングモデルの要素を取り入れた事例
パーパス・ミッション:
高い技術力に基づく製品の安定的な提供などを通じ、人々の暮らしに不可欠なモノや価値を提供することが最大のミッション。自社の企業存続を含めた安定的な経営が求められており、経営のスピード感も意識する必要があるものの、取締役会に重要な意思決定機能を意識的に残すことも必要。
経営の時間軸:
事業成長に時間がかかる特性がある。しかし、経営判断などには業界・技術の知見が不可欠なため、意思決定においては社内役員の知見・経験からの判断も重要であることから、取締役会の構成としては社外取締役を3分の1とする。
内外環境のリスク:
外部環境変化の影響を受けやすい。環境変化に対する感応度を高めるため、社外役員の多様な知見を活用した多面的な先読みも必須であることから、引続き経営経験者を含めた多様なメンバーの登用努力が必要。
ステークホルダーの期待:
事業特性からサステナビリティに関する期待が高く、多様な知見を持つ社外役員の目を活用した監督が期待されている。取締役会の議題においてサステナビリティテーマの充実が必要。
検討の結果、監査役(会)設置会社を維持し、取締役会に一定の意思決定機能を残すと同時に、社外取締役を3分の1に増員、指名委員会・報酬委員会の委員については社外役員を過半数とすることで客観性・透明性を確保し、さらには可能な範囲で執行への権限委譲を進め、取締役会の議題をより経営方針策定と執行モニタリングへ移行することで、モニタリングモデルの要素を加味したガバナンススタイルとした事例になります。
- 事例2:委員会型への移行を決断した事例
中長期的な戦略方向性:
インオーガニックな成長を推進させるべく、グローバルを含めた企業買収を増加させている。新たな事業形態の買収などの多面的な知見を社外取締役から吸収することが必要であることから、経営経験者を中心に社外取締役の増員が必要。
経営の時間軸:
開発に時間・コストを要し、開発の継続や変更可否の判断には専門知見による「目利き」がポイントとなるため、極力執行側で判断・意思決定することが望ましい。
事業構造の複雑性:
多様な事業を展開しており、それぞれの事業シナジーの向上がさらなる成長のカギとなるが、大胆な事業ポートフォリオの見直しやシナジー発揮に向けた戦略等が打ち出せていない。取締役会にて客観的かつ俯瞰的な議論を行う必要がある。
内外環境のリスク:
競争が激しい業界であり、変化に適時・柔軟な対応が求められる環境にある。意思決定のスピードの向上が必要であり、執行への権限委譲を進める必要がある。
ステークホルダーの期待:
海外企業の買収などを契機に、海外機関投資家からの注目が高まり、海外に向けて説明力のあるガバナンス体制構築が必要。
検討の結果、執行への大幅な権限委譲による意思決定スピード向上が自社の持続的な成長のカギとなると判断、社外取締役を過半数に増員し、委員会型への移行を決断した事例になります。
「まず形から入る」という考えのもと、機関設計変更ありきで検討を進めたものの、メリットを十分に享受できておらず、従前のガバナンスからの変化を感じ取れないといった話、制度趣旨を踏まえた本質的な変革を行わなかったことで過剰な権限委譲による執行の暴走、未熟な状態での権限委譲により経営の推進力の低下など、かえってガバナンス機能が低下したといった悩みも聞くことがあります。形式論やメリットのみを強調せず、本質やデメリットもしっかりと見極め、デメリットをカバーし、メリットを最大限発揮できるような本質的な改革を行っていくことが重要です。
3. ガバナンススタイル検討のまとめ
本稿で提示したガバナンススタイルを考えるための要素は、あくまで一例にすぎません。自社のガバナンススタイルを検討する際は、ガバナンスを決定づける要素を洗い出し、それらを総合的に判断して最終的な姿を形作る必要があります。
また、本稿で紹介したケースにもあるとおり、検討要素ごとに取締役会の構成や審議テーマなど、体現したい方向性や内容はいろいろと導出されます。そのため、実行可能性を勘案し、最大限取り得るオプションを選択することが重要です。大切なことは、自社が長期にわたり、社内外に対して価値を創出し続け、持続的に成長していくことです。また、それを実現するために必要となるガバナンスの在り方について、具体的な実現手段や運営方法等も含め 、取締役・経営陣で方向性を共有し、実行していくことです。
V さいごに
日本は、取り得る会社形態にもバリエーションがあります。ある程度の柔軟性も確保されていることから、自社の工夫次第でより持続的な成長の実現に資するガバナンスを設計することが可能になると考えます。
また、会社の置かれている環境は日々変化しており、定期的に自社のガバナンススタイルが環境変化や戦略遂行においてミスマッチとなっていないかを検証し、改善を行っていくことも必要です。
前述のとおり、委員会型への移行は増加傾向であり、実際に機関設計の変更を検討しているが、どのように進めるべきかを悩んでいるとの声もよく聞かれます。そこで、次号以降で委員会型への移行の検討のポイントや移行に向けたステップなどを紹介予定です。
<参考資料>
東京証券取引所「コーポレート・ガバナンス情報サービス 」
執筆者
KPMGコンサルティング
アソシエイトパートナー 木村 みさ
マネジャー 野口 瞳
シニアコンサルタント 渡部 悠希