前方業務プロセス・システムにおける課題の把握と解消に向けて―受注業務における効率化―
経理財務部門の定型業務「取引の処理」の効率化を推進していくために、解消すべき前方業務プロセス・システムに関しての課題について、営業・販売プロセスを例に挙げて解説していきます。
経理財務部門の定型業務「取引の処理」の効率化を推進していくために、解消すべき前方業務プロセス・システムに関しての課題について、営業・販売プロセスを例に挙げて解説していきます。
Article Posted date
23 May 2023
販売プロセス(受注業務)における効率化ポイント
今回から、営業・販売プロセスを例にとって、一般的なプロセスにおける「取引の処理」の効率化のポイントを確認してみましょう。
一連の販売管理プロセスを1.受注、2.出荷、3.売上計上に分解してそれぞれ解説していきます。
まずは販売プロセスです。
1.受注
販売管理システムにおいて、処理効率化を考えるうえで重要な局面は、最も入力項目が多く発生する受注入力のタイミングであり、できる限り受注入力を自動化することが効率化ポイントとなります。
得意先や製品の質的な情報については、得意先マスタや品目マスタにあらかじめ登録しておき、受注入力時は、各マスタと紐付くキー情報を入力すれば、マスタから自動反映される状態にしておきます。また、価格情報についても、得意先別、品目別に販売単価をあらかじめ登録しておき、販売単価が自動提案される仕組みを構築することで、処理効率化を図ることができます。
<受注入力の処理効率化のポイント>
- 販売単価マスタの自動提案機能の活用
- 活用にあたっての販売単価の決定方法の複雑性の見極め
例えば、取引基本契約に基づき、事前に価格条件を合意するものであれば、販売単価マスタの自動提案機能の活用に適しています。一方、取引ごとに顧客との価格交渉を行う必要がある等、複雑な価格決定がなされる場合、販売単価マスタの自動提案機能の活用には向かないことになります。
システム間連携図(例)
執筆者
あずさ監査法人
Digital Innovation部
経理DXチーム