前方業務プロセス・システムの課題とその解消に向けて
経理財務部門の定型業務「取引の処理」の効率化を推進していくために、解消すべき前方業務プロセス・システムに関しての課題について、解説していきます。
経理財務部門の定型業務「取引の処理」の効率化を推進していくために、解消すべき前方業務プロセス・システムに関しての課題について、解説していきます。
前方業務でのシステム利用の課題の把握
「取引の処理」の効率化は、会計領域のみでなく、営業・販売プロセスや購買プロセスといった前方業務も含めた取組みが不可欠です。そのため、経理財務部門としては販売管理などの前方領域における業務プロセス、システムに対して十分な知見を持つことが重要です。
例えば、営業・販売プロセスにおいて、「社外向けの品番と社内向けの品番が違う」ために、システム登録時に品番を読み替えて手入力しなければならないという業務が発生している事例もよくあります。
また、FAXやメールでの発注を受け入れるために、どうしてもプロセスに手作業が介在してしまい、販売管理システムと生産管理システムや在庫管理システムを自動連携できないという課題を抱えている会社も少なくないでしょう。
システム間連携図(例)
大規模なERPの刷新となると、一連の業務プロセスの上流から下流まで一貫したデータの活用、管理が必要です。下流で必要なデータは上流工程で何らかの形でシステムにインプットしなければなりません。
もし仮に、下流で必要なデータが上流で重要性のない情報であった場合、そのシステム入力は誰が責任をもって行うべきなのか。こういった課題は、営業・販売プロセスのみに生じるものではなく、購買や生産、在庫管理等の業務プロセスそれぞれに同様の状況が考えられます。「全社的に一貫したデータ管理」の難しさはここにあります。
次回は、営業・販売プロセスを例にとって、一般的なプロセスにおける「取引の処理」の効率化のポイントを確認していきます。
執筆者
あずさ監査法人
Digital Innovation部
経理DXチーム