日本企業の米国Nasdaq上場

日本のスタートアップ企業におけるNasdaq(ナスダック)上場に関するメリット、留意点、上場プロセスなどについて解説しています。

日本のスタートアップ企業におけるNasdaq(ナスダック)上場に関するメリット、留意点、上場プロセスなどについて解説しています。

ポイント

  • 米国に上場する手法には、IPO(Initial Public Offering)以外にダイレクトリスティング、SPACによる上場、リバースマージャー等がありますが、本稿ではIPOについて解説します。
  • 2020年12月にメディロムがNasdaq(ナスダック)に上場して以降、Nasdaq上場を検討する日本のスタートアップ企業が増えています。なお、2022年2月に、吉通貿易がNasdaqに上場しています。
  • Nasdaqへの上場のメリットとして、米国を中心とした国際的な機関投資家へのアクセスが容易になることや、グローバルでの知名度・信用力の向上、優秀な人材の採用・確保などが挙げられます。
  • 日本企業がNasdaqに上場する場合、ほとんどの会社はFPI(Foreign Private Issuer)に該当するので、連結財務諸表作成に際して米国会計基準(US GAAP)以外に、国際会計基準審議会(IASB審議会)の発行したIFRS®会計基準を適用できるなど優遇措置があります。
  • 直近会計年度の年間総収入が12億3,500万ドル未満の会社は、EGC(Emerging Growth Companies)に該当するので、会計監査人による内部統制監査(SOX 404(b))について、上場後、最長で5年間免除されるなど優遇措置があります。

ハイライト

1. 日本企業の米国証券取引所の上場

2. Nasdaq上場のメリット

3. 日本企業のADR(ADS)によるNasdaq上場

4. Nasdaq上場までのプロセス

5. FPIと優遇措置

6. EGCと優遇措置

7. US SOX法に基づく内部統制の構築

8. 届出書における記載事項

9. 財務諸表の主な必要項目

10. SECレビュープロセス

11. Nasdaq上場に必要な主な関係者

12. Nasdaq Capital Marketの上場要件

執筆者

KPMGジャパン グローバル・キャピタルマーケット・アドバイザリーグループ
責任者
パートナー 湯口 豊

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湯口 豊

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