特別買収目的会社(SPAC):公開株式の、金融負債または資本への分類(IAS第32号に関連)-IFRS-ICニュース

IFRS解釈指針委員会ニュース -「特別買収目的会社(SPAC):公開株式の、金融負債または資本への分類(IAS第32号に関連)」については、2022年6月のIFRS-IC会議において審議された内容を更新しています。

「特別買収目的会社(SPAC):公開株式の、金融負債または資本への分類(IAS第32号に関連)」については、2022年6月のIFRS-IC会議において審議された内容を更新しています

関連基準

IAS第32号「金融商品:表示」

概要

IFRS-ICは、特別買収目的会社(SPAC)が発行する公開株式をIAS第32号において金融負債と資本のいずれに分類するかについて質問を受けました。

質問のケースでは、SPACが2種類の種類株式(A種及びB種)を発行しており、B種株式の株主は、以下の契約上の権利を有します。

  • SPACの株主が対象企業の取得を承認した場合、保有する種類株式の償還をSPACに要求できる。
  • 一定期間(存続期間)内に対象企業を取得しなかった場合、SPACは清算され、株式は償還される。
  • A種株主とともに、SPACの存続期間を延長できる。延長は、株主全体の3分の2以上の同意、もしくはそれぞれの種類株主(A種及びB種)の3分の2以上の同意があれば承認される。

IFRS-ICは、B種株式を金融負債または資本に分類するにあたり、SPACの存続期間を延長する株主の契約上の権利が及ぼす影響(特に、SPACの存続期間を延長する株主の決定は、SPACの支配が及ぶ範囲に含まれるか)について質問を受けました。この評価は、現金又は他の金融資産を引き渡す契約上の義務を回避する無条件の権利をSPACが有しているどうか、つまり当該金融商品が資本に分類されるかどうか(IAS第32号16項(a)(i))を検討するうえで、必要なものです。

ステータス

IAS第32号は、株主の決定を企業自身の意思決定として扱うべきかを評価する要求事項を含んでおらず、株主の意思決定を企業自身の意思決定として扱うかについては、IASB審議会の「資本の性質を有する金融商品」(FICE)プロジェクトでも実務上の課題として識別されています。

したがって、IFRS-ICは、2022年6月のIFRS-IC会議で、この質問で照会されている論点は単独で扱うのではなくFICEプロジェクトにおける広い範囲の議論の一環で検討すべきであるとして、本件を基準設定プロジェクトには追加しないことを決定しました。

本アジェンダ決定の内容は、IASB審議会の2022年7月の会議を経て確定しました。アジェンダ決定の詳細についてはASBJのサイトに公開されているIFRIC Update (2022年6月号)への補遺をご参照ください。

お問合せ

このページに関連する会計トピック

会計トピック別に、解説記事やニュースなどの情報を紹介します。

このページに関連する会計基準

会計基準別に、解説記事やニュースなどの情報を紹介します。