ASBJ、実務対応報告第42号「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」を公表

企業会計基準委員会(ASBJ)は、2021年8月12日、実務対応報告第42号「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(以下「本実務対応報告」という)を公表しました。

企業会計基準委員会(ASBJ)は、2021年8月12日、実務対応報告第42号「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(以下「本実務対応報告」という)を公表

ポイント

適用範囲

  • グループ通算制度を適用する企業の連結財務諸表及び個別財務諸表並びに連結納税制度から単体納税制度に移行する企業の連結財務諸表及び個別財務諸表に適用されます。

実務対応報告第5号等との関係

  • グループ通算制度を適用する場合の実務対応報告の開発にあたっては、基本的な方針として、連結納税制度とグループ通算制度の相違点に起因する会計処理及び開示を除き、連結納税制度における実務対応報告第5号等の会計処理及び開示に関する取扱いを踏襲することとされています。

会計処理

  • 個別財務諸表における損益計算書において、通算税効果額を当事業年度の所得に対する法人税及び地方法人税に準ずるものとして取り扱うこととされています。
  • 連結財務諸表においては、「通算グループ内のすべての納税申告書の作成主体を1つに束ねた単位」に対して、税効果会計を適用することとされています。

開示

  • 通算税効果額を法人税及び地方法人税を示す科目に含めて個別財務諸表における損益計算書に表示し、通算税効果額に係る債権及び債務は、未収入金や未払金などに含めて個別財務諸表における貸借対照表に表示することとされています。
  • 繰延税金資産及び繰延税金負債に関する表示について、個別財務諸表では、同一納税主体の繰延税金資産と繰延税金負債は双方を相殺して表示し、異なる納税主体の繰延税金資産と繰延税金負債は双方を相殺せず表示します。連結財務諸表では、通算グループ全体の繰延税金資産の合計と繰延税金負債の合計を相殺して、連結貸借対照表の投資その他の資産の区分又は固定負債の区分に表示することとされています。
  • 本実務対応報告による会計処理を行っている場合には、その旨を注記することとされています。

適用時期等

  • 2022年4月1日以後に開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用されます。ただし、税効果会計に関する会計処理及び開示については2022年3月31日以後に終了する年度の期末からの早期適用可能です。また、グループ通算制度への移行の形態に応じて経過措置が定められています。

PDFの内容

I.実務対応報告の概要
II.適用時期等

このページに関連する会計トピック

会計トピック別に、解説記事やニュースなどの情報を紹介します。

このページに関連する会計基準

会計基準別に、解説記事やニュースなどの情報を紹介します。