【第7回~TCFDを旅する~】TCFD提言を概観する2
TCFDを旅する ~サステナビリティを目指して~ 第7回:第3回に続いてTCFD提言を概観します。
TCFDを旅する ~サステナビリティを目指して~ 第7回:第3回に続いてTCFD提言を概観します。
Article Posted date
15 January 2020
I. TCFD提言等の経緯
第3回でご紹介しています。
II. TCFD提言の概要
- TCFD提言が必要とされた理由
- 開示対象とする気候関連リスクと機会
 (1)移行リスク
 (2)物理的リスク
 (3)機会
第3回でご紹介しています。
3. 開示フレームワークの概要
開示フレームワークの概要は以下のとおりであり、下記4~7の4項目の開示が求められています。
ただし、戦略及び指標と目標については、それが重要な場合に開示が求められています。
| ガバナンス | 戦略 | リスク管理 | 指標と目標 | |
|---|---|---|---|---|
| リスク | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 
| 機会 | 〇 | 〇 | × | 〇 | 
| a | 取締役会の監視体制 | 短中長期のリスクと機会 | 識別・評価プロセス | 評価指標 | 
| b | 評価等の経営陣の役割 | 戦略・財務計画への影響 | 管理プロセス | スコープ1,2,3排出量注と関連リスク | 
| c | 該当なし | シナリオ分析とレジリエンス | 全社的リスク管理との統合 | 目標と達成度 | 
注 スコープ1はGHG(温室効果ガス)のその企業による直接的排出量、スコープ2はその企業が購入した電力、熱等の消費による間接的なGHG排出量、スコープ3は企業のバリューチェーンの中で生じる間接的GHG排出量であってスコープ2を除いたものを指す。
4. ガバナンスの開示
| ガバナンス | 開示ガイダンス | |
|---|---|---|
| a | 取締役会の監視体制 | 
 | 
| b | 評価等の経営陣の役割 | 
 | 
5. 戦略の開示
| 戦略 | 開示ガイダンス | |
|---|---|---|
| a | 短中長期のリスクと機会 | 
 | 
| b | 戦略・財務計画への影響 | 
 | 
| c | シナリオ分析とレジリエンス | 
 | 
6. リスク管理の開示
| リスク管理 | 開示ガイダンス | |
|---|---|---|
| a | 識別・評価プロセス | 
 | 
| b | 管理プロセス | 
 | 
| c | 全社的リスク管理との統合 | 
 | 
7. 指標と目標の開示
| 指標と目標 | 開示ガイダンス | |
|---|---|---|
| a | 評価指標 | 
 | 
| b | スコープ1,2,3排出量と関連リスク | 
 | 
| c | 目標と達成度 | 
 | 
ご紹介:TCFD及びEUタクソノミーに関するKPMGジャパンのサービス等
KPMGジャパンでは、GSDアプローチ※によるTCFDアドバイザリーサービスを提供しています。
また、EUタクソノミーに関するご相談を受け付けています。
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※ GSDアプローチとは、Gap analysis(TCFD最終提言とのギャップ分析)、Scenario analysis(シナリオ分析)、Disclosure analysis(開示内容・手法の妥当性分析)を指します。
執筆者
KPMGジャパン
コーポレートガバナンスCoE/TCFDグループ
テクニカルディレクター 公認会計士 加藤 俊治