法務省、大株主の状況及び繰延税金資産(負債)の表示に関する「会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令」を公布
会計・監査ニュースフラッシュ - 平成30年3月26日、法務省は「会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令」を公布しました。平成29年12月14日に公表された省令案からの変更はありません。
平成30年3月26日、法務省は「会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令」を公布しました。平成29年12月14日に公表された省令案からの変更はありません。
会社法施行規則の改正の趣旨及び内容
金融審議会が設置したディスクロージャーワーキング・グループにより公表された「金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告 - 建設的な対話の促進に向けて」及び、金融庁により公表された企業内容等の開示に関する内閣府令の改正を受け、所定の場合において、公開会社が、事業年度の末日に代えて、株式会社が定時株主総会における議決権を行使することができる者について定めた一定の日において株式の保有割合が上位10名の株主に関する事項を事業報告の内容に含めることを許容するため、会社法施行規則(平成18年法務省令第12号)の改正を行うものです。
会社法施行規則第122条に第2項として、当該事業年度に関する定時株主総会において議決権を行使することができる者を定めるための会社法(平成17年法律第86号)第124条第1項に規定する基準日を定めた場合において、当該基準日が当該事業年度の末日後の日であるときは、現行の会社法施行規則第122条第1号に掲げる事項については、当該基準日を明らかにした上で、当該基準日において発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対するその有する株式の数の割合が高いことにおいて上位となる10名の株主の氏名又は名称、当該株主の有する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数を含む。)及び当該株主の有する株式に係る当該割合とすることができる旨の規定を加えるものです。
これに伴い、会社法施行規則附則第8条について、所要の整備が行われています。
会社計算規則の改正の趣旨及び内容
企業会計基準委員会により公表された、企業会計基準第28号「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」及び、金融庁により公表された財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令を受け、繰延税金資産については投資その他の資産として、繰延税金負債については固定負債として区分して表示することとするため、会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の改正を行うものです。
会社計算規則第74条第3項第1号タ及び第75条第2項第1号チを削った上で、第74条第3項第4号ホ、第75条第2項第2号ホ及び第83条について所要の整備が行われています。
施行期日及び経過措置
本省令は、公布の日(平成30年3月26日)から施行されています。
本省令による改正後の会社計算規則の規定は、平成30年4月1日以後開始する事業年度に係る計算書類及び連結計算書類について適用し、同日前に開始する事業年度に係るものについては、なお従前の例によるものとされますが、同年3月31日以後最初に終了する事業年度に係るものについては、改正後の会社計算規則の規定を適用することができるとする経過措置が設けられています。