自動運転で補修部品事業はどうなる?

自動運転車によって、自動車事故の減少が期待されています。交通事故が減少することは間違いなく社会にとって良いことですが、自動車メーカーと修理サービス業者にとっては、収益性の高い補修部品・サービス事業が劇的に縮小し、収益に大きな打撃を受けることとなり、必ずしも良いこととは言えません。

メーカーと修理サービス業者にとっては、収益性の高い補修部品・サービス事業が劇的に縮小し、大きな打撃を受けることとなります。

自動車アウトラインのイラスト

KPMGのオートモーティブ部門は、自動運転車が広く輸送産業にもたらす影響を最前線に立って研究し、このテーマに関していくつかのレポートを発行しています。本レポートでは、自動運転車が自動車整備業界と自動車メーカーの補修部品事業に及ぼす具体的な影響を探ります。
KPMGの分析によると、事業への影響はかなり大きいため、自動車メーカーは注意を怠らないよう気を付ける必要があります。自動車メーカーの売上高のうち補修部品の割合は通常3%以下ですが、極めて安定した収入源であることに加えて、より重要なのは、営業利益の10~20%を占めているという事実です。この収益性の高い事業が大きく落ち込むと予想されます。
KPMGの分析では、今後5~10年間でますます高度な自動運転車技術が広く利用できるようになります。このような破壊的技術が急速に近づいている中、自動車メーカーは特に収益性の高い事業部門に対する差し迫った危機への対応を遅らせるわけにはいきません。明日のリスクを軽減する態勢を整えるため、すぐに取組みを始める必要があります。

内容

  1. 執筆者紹介
  2. 補修部品
  3. 技術によって自動車はより安全に
  4. 自動運転車への道のり
  5. 補修部品市場に打撃
  6. バリューチェーン下流は収益減少
  7. 求められる行動
  8. まとめ