不確実性が顕著になる社会のなかで、企業はこれまで以上に効率的かつ持続的に収益性を確保することが急務となっています。また、サステナビリティ課題の解決を通じた環境や社会の持続可能性に取り組むことが、企業の存続に大きな影響を及ぼすと考えられます。企業には、「稼ぐ力の強化」と「持続可能性への取組み」を同時に追求する経営が求められています。一方で、多くの製造業の環境・社会課題に対しての取り組み状況は、企業のレピュテーションや資産にリスクを及ぼす事象に対しての予防、対処にとどまっているのが現状です。

KPMGでは、製造業のクライアントに対して、新規事業の創発・開発支援をしてきた経験、サステナビリティ経営への変革を支援してきた経験の両面から、サステナビリティ課題起点での新規事業創出を支援します。

サステナビリティ課題起点での新規事業創出の課題

新規事業創出の初期フェーズでは、テーマ設定(アイデア発案領域の設定)、ニーズ調査・分析、シーズ調査・分析(自社・外部)、新規事業・新商品アイデアの発案、アイデア評価の順で実施し、事業構想・評価フェーズに移行します。この流れのなかで、サステナビリティ課題起点での新規事業創出における難しさとして、「サステナビリティ課題の特定」「自社シーズの活用」「アイデアの評価」などが挙げられます。

「サステナビリティ課題の特定」では、気候変動や資源枯渇、人権問題など、多くのサステナビリティ課題があるなかで、自社がどの課題に着目して新規事業のアイデア出しを行うかの事業ドメイン設定に難しさがあります。

製造業におけるサステナビリティ課題起点での新規事業創出支援_図表1

サステナビリティ課題の特定に対するアプローチ

「サステナビリティ課題の特定」に対する1点目のアプローチとして、自社製品のエンド顧客の動向を把握することが重要です。自社が素材、部品、設備等の上流の製造業である場合、自社の直接顧客であるモジュールアセンブリメーカーの課題は、エンド顧客である最終製品メーカーや一般消費者が起点となるケースが多く見られます。そのため、先回りした新規事業の創出のためには、エンド顧客がどのようなサステナビリティ課題に直面しているかを把握することが重要となります。

製造業におけるサステナビリティ課題起点での新規事業創出支援_図表2

2点目のアプローチとして、より中長期的な新規事業を志向する場合、NGO/NPO等のステークホルダーの動向を把握することが重要です。サステナビリティ課題は、多くのケースで、NGO/NPO等のステークホルダーの活動が起点となり、重要度の高いものは国際目標・基準が設定され、国際的な会議や国・地域の政策研究会で議論されたのちに、各国・各地域の政策・規制に落とし込まれます。

政策や規制化された後は企業が対応を加速するため、その規制に対応するためのさまざまなサービスが世の中にあふれている状況、つまり新規事業創出の観点では、競合がひしめくレッドオーシャン市場となります。競合他社に先んじてサステナビリティ課題を特定するためには、課題の起点であるNGO/NPO等のステークホルダーの動向調査から始め、将来的にどのような課題が事業として成立し得るかを判断する必要があります。

KPMGによる支援

サステナビリティ課題起点での新規事業創出では、課題の特定のほかにも、どのような技術シーズを課題解決に活用できるのか、どのようにアイデアの価値を評価するのかといった、特有の難しさを克服して取り組む必要があります。

KPMGでは以下の4ステップの支援内容をベースに、クライアントの課題やスピード感に応じて個別にカスタマイズした支援が可能です。

製造業におけるサステナビリティ課題起点での新規事業創出支援_図表3

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