経理財務部門の課題

KPMGジャパンが2021年に実施したCFOサーベイ(国内461社の上場企業対象)では、今後デジタル活用が必要と考えられる領域は「経理財務業務」と「予算管理」が大部分を占めました。これらの領域については約半数のCFOが改善の余地ありと考えていることがわかります。

 

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経理財務機能は、以下の3つに階層化することができます。

•「取引の処理」(実務者レベル)
•「財務報告/分析」(管理者レベル)
•「意思決定サポート」(経営層レベル)

多くの日本企業の経理財務機能が、下図の三角形の面積に示すように「取引の処理」を中心とした定型業務に多くの時間を割いており、アンケートに回答したCFOたちはそこに効率化の余地を見出していると考えることができます。

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経理財務部門の機能変革

データおよびデジタル技術を利活用し、既存の定型業務を効率化し、経営層が行う3つ目の階層「意思決定サポート」といった高付加価値業務により多くの時間を割いて、経営をサポートしていくことが、今後経理財務部門に期待されています。

これには例えば、企業業績に関する情報提供はもちろんのこと、M&Aや事業戦略といった成長に関する数値的な裏付けのある情報、資本政策における最適資本構成や運転資金の効率化に関する情報やIT環境に関する情報などが含まれます。

こうした期待に対し、経理財務部門が行いうる最大の貢献は、「企業価値を最大化」していくための企業業績や戦略を数値に置き換えてストーリーを語ること、すなわち、その数値の背景を理解し意味づけを行い関係者に的確に伝達することで経営者の意思決定を強力にサポートする、といったことになります。このように、会社戦略に係る意思決定そのものというよりも、経営判断に資する情報を経営者に寄り添って的確に伝達する役割こそが経理財務部門の期待される役割です。

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