コンプライアンス機能を強化するためにテクノロジーに投資し、規制当局の要請や現代の消費者の期待に応えるべく進化することが求められています。
最高倫理・コンプライアンス責任者(Chief Ethics and Compliance Officers、以下CCO)は、変化の担い手として先導的な役割を担い、その機能や運用を推進し、規制当局やステークホルダーの期待の変化を予期し、組織が晒されるリスクを防いでいます。
「KPMG 2021 CCO調査」では、消費財メーカー・小売業界のCCOがいかにグローバルな動向やリスクに適応しているのかについて調査しました。消費財メーカー・小売業界の企業は現在、テクノロジーを活用してコンプライアンス活動の効率化を図ろうとしています。また、消費者が気候変動や社会活動、公共の安全への関心を高めていることを認識しており、新たな期待に応える必要にも迫られています。
強化すべき活動
CCOは、自動化とテクノロジーの向上および規制変更の管理が今後3年間のコンプライアンス活動を推進する上で不可欠であると答えています。
改善すべき義務
CCOは、自動化とテクノロジーの向上および規制変更の管理が今後3年間のコンプライアンス活動を推進する上で不可欠であると答えています。
コンプライアンス責任者は、テクノロジーによって可能になる既存 プロセスの自動化に明確に焦点を定めると同時に、規制変更やESGを巡って高まる気運にも備えています
投資の見通し
47%のCCOは、倫理・コンプライアンス関連の予算が前年比で増加すると見込んでいますが、半数は前年と同水準と見ています。
77%のCCOは、倫理・コンプライアンス関連のテクノロジー予算が今後3年間で増加すると見込んでいます。CCOがテクノロジーの必要性について社内で啓蒙している結果です。
専門性が必要な分野
CCOは現状のスキルギャップに対応し、各分野の専門性を強化するため、今後数年間でコンプライアンス関連の予算を拡大することを目指しています。
自動化に向けて優先すべき課題
大多数(87%)のCCOが、自動化に向けて今後3年間に取り組むべき優先課題かつ最大の機会として、データ分析を挙げています。
消費財メーカー・小売業界のCEOの考え*
「ESGに対するステークホルダーの期待」と「デジタルトランスフォーメーション戦略」の2つの項目についてCEOはつぎのとおりで考えています。
ESGに対するステークホルダーの期待
- 62%:自社のESG評価を外部専門機関に頼ることが増加
- 65%:自社の収益の1~5%をサステナビリティ・プログラムに投資
デジタルトランスフォーメーション戦略
- 85%:デジタルへの投資をなるべく早く行うべき
出典:
KPMG 2021 CCO調査 Survey
コンプライアンスの喫緊の課題に関する知見を提供し、各業界のCCOがいかに進化するリスクと動向に適応しているのか調査しています。
*KPMGグローバルCEO調査
各業界のCEOの考えを踏まえ、組織の全社戦略に関する知見を提供しています。