昨今、金融機関の外国市場取引や海外ビジネスの拡大、顧客の海外進出などで一層のグローバル化が進むなか、国を跨ぐプロジェクトの推進にあたっては各国・地域の法規制への対応や、多様なステークホルダーとのコミュニケーションやガバナンスなど、グローバルプロジェクト特有の対応に迫られています。
KPMGは国内外の豊富な知見と実績を活かし、グローバルプロジェクトの効果的・効率的な推進を支援します。

グローバルプロジェクトの特徴とリスク・影響

グローバルプロジェクトは、各国・地域の法令・規制・ルールの多様化に加え、さまざまなステークホルダーがいるなかでのコミュニケーションやガバナンスの複雑化に伴うリスクが高い傾向にあるため、プロジェクト管理の難易度が上がっています。

【特徴とリスク・影響】

特徴 リスク・影響
各国・地域の法令・規制・ルールの多様化 各国・地域の法令・規制・ルールをはじめ、環境・人権など範囲は多様化 法規制に抵触すると、多額の罰則金の支払いや業務停止、レピュテーション低下につながる
ガバナンスの複雑化 各国・地域で時差や労働環境、ルールが異なるなかで統制が複雑化 子会社や各拠点のメンバーを統制することができず、プロジェクトの遅延や失敗につながる
ステークホルダーの多様化 各国・地域から言語・文化・労働慣行が異なる多様なステークホルダーが参加 子会社や各拠点へ正確な指示が伝わらない、コミュニケーション上で不一致や軋轢が生じる

【その結果、プロジェクト管理の難易度が上昇】

特長 リスク・影響
プロジェクト管理の難易度上昇 子会社や各拠点の進捗・予算・リソース・課題の把握など管理の難易度上昇 適切な管理ができず、予算超過・リソース不足・プロジェクトの遅延や失敗につながる

KPMGの支援

KPMGは、海外拠点に跨る金融グローバルプロジェクトを成功に導くために、以下の4つの観点でソリューションを提供し、グローバルプロジェクトの推進を支援します。

(1)海外規制・プラクティスの理解

必要な対応 グローバルプロジェクトを推進するうえで、海外拠点固有の法規制やガイドライン、ルールを理解し、数ある選択肢のなかからそのプロジェクトに適した方針を定め、関係者間でアプローチ・ゴールを共有すること
KPMGの支援 関係する各国・地域の金融分野における業務・ガバナンス・リスク・ITなどに関する法規制、ガイドラインの情報および分析結果の提供や、それらに基づく各種提案

(2)拠点を跨ぐガバナンス体制の構築

必要な対応 海外子会社や関連会社など異なる統制下の組織が参画するため、プロジェクト推進中、またはオンボーディング後の役割と責任および意思決定プロセスを事前に定めること
KPMGの支援 プロジェクト計画時やオンボーディング前のプロセスにおける、組織・プロジェクトに適した体制および意思決定プロセスの提案

(3)外国語での正確なコミュニケーション

必要な対応 海外拠点と本社が正確に意思伝達を行うため、プロジェクトやその領域を熟知したメンバーが英語等の外国語を利用し、リアルタイムに正確なコミュニケーションをとること
KPMGの支援 金融やプロジェクトに対する知見と実績のあるメンバーが、英語等で海外拠点とのリアルタイムでの会話・メール・会議ファシリテート・文書作成などを支援

(4)総合的なプロジェクト管理

必要な対応 グローバルプロジェクトの進捗・リソース(コスト、要員など)・課題・リスクなどの状況を正しく把握するために、海外拠点も本社と同様に厳格かつ総合的に管理すること
KPMGの支援 独自のプロジェクト管理アセットを利用した、進捗・リソース・リスクなどの総合的な管理手法やツールの提案、および実際のプロジェクト管理支援

支援ステップ

以下のステップで「実施事項」と「注意点・ポイント」を踏まえ、グローバルプロジェクトの推進を支援します。

  実施事項 注意点・ポイント
ステップ1
現状把握
  1. プロジェクトの重要課題や最終目的の分析・明示
  2. 海外拠点の調査
  3. メンバーの言語・体制・労働環境の把握
  • 海外拠点の各国・地域の経済・文化を十分に理解
  • 法令・規制・ルールの正確な把握、違反時の影響確認
  • 海外拠点で利用可能なITツールの検討
ステップ2
プロジェクト体制構築・方針策定
  1. スコープおよびマイルストーンの設定
  2. 意思決定体制の構築、およびコミュニケーションプランの策定
  3. 予算・リソース配分の計画策定
  • 海外拠点の環境・リソース状況に応じて、言語・スキル等適切なメンバーを配置
  • 実現可能性を検討したうえで的確な予算およびスケジュールを設定
ステップ3
プロジェクト開始と検証
  1. 各拠点での運用状況を確認し計画の進捗状況をチェック・検証
  2. 課題事項や施策の有効性を検証
  3. 各国・地域の法令・規制・ルール違反の有無確認
  • 海外拠点の計画の遅延や抜け漏れを厳格に管理
  • 施策の有効性はKPIを設定し客観的に評価
  • 各国の法規制等の遵守状況を確認
ステップ4
報告・改善
  1. 各拠点での進捗状況を報告
  2. 品質確認の実施
  3. 運用上の課題・改善点を確認のうえ共有し、全体の運用改善を実施
  • 海外拠点の情報は正確に報告が行われるように配慮
  • 隠れた課題がないか深堀り確認
  • 改善点は各拠点に共有し、実行されるまでフォローアップ

KPMGの強み

上記の支援ステップを踏まえたアプローチに加え、グローバルのネットワークと豊富な支援実績を活かして、プロジェクトの推進を支援します。

「金融×グローバル」人材の参画 金融に関するバックグラウンドがあることはもちろん、海外駐在やグローバルプロジェクト推進経験があるメンバーから適した人材が参画するため、スムーズな推進が可能
グローバルな最新ソリューション、ナレッジの提供 海外のKPMGのメンバーファームで培ったプロジェクトノウハウや、グローバルレベルの最新ソリューションやナレッジの提供が可能
豊富なプロジェクト支援実績 グローバルにおける制度対応のPMO支援・監査関連支援・リスク/セキュリティ管理支援・海外企業の買収・合併に係るPMO/PMI支援・グローバルシステム対応PMO支援等、豊富なプロジェクト推進実績
KPMGのグローバルネットワーク 全世界に跨るグローバルネットワークを活用して、関係する国・地域のリードプラクティスや当局動向などを把握し、プロジェクトの推進を支援

KPMGのグローバルプロジェクト実績例

豊富な実績を有しており、多様な支援が可能です。

  • 国際決済システムの制度変更対応のPMO支援

    国際決済ネットワークシステムの大規模な制度変更に関し、国内・海外拠点のシステム・事務・チャネル等の移行を全体PMOとして支援
     
  • 海外M&Aに係るPMO・PMI支援

    アジア、米州、欧州等のさまざまな子会社の買収を対象に、プロジェクト推進やガバナンス・システム・内部統制・リスク管理等の広範な領域における統合を支援
     
  • 子会社の吸収合併等に係るPMO・PMI支援

    一部出資していた海外子会社の本体への吸収合併やグループ内の出資比率変更等に伴い、ガバナンス・システム・事務・人事等の統合を支援
     
  • グローバルな管理体制強化プロジェクトの推進支援

    海外の先進事例も参考に、財務管理・リスク管理・コンプライアンス・データ管理・本人確認業務等にかかわるグローバルな体制強化プロジェクトの推進を支援
     
  • グローバルITセキュリティ管理対応支援

    国内・海外拠点に跨るIT関連セキュリティリスクに関するガバナンス体制の見直しを支援
     
  • 海外ベンダー製品を活用した勘定系システムの導入に関するPMO支援

    勘定系システムに海外ベンダーのパッケージ製品を 導入するにあたり、PMOとして支援
     
  • 海外拠点で利用するシステムに係る監査支援

    日本開発のシステムを海外拠点で利用するにあたり、当該国の当局のシステムリスクガイドラインへの適合に関する監査を支援
     
  • 海外拠点の業務・体制にかかわる現状調査や監査の支援

    海外拠点の業務やコンプライアンスにかかわる管理体制等を対象に、拠点横断的な現状調査・分析や個別拠点を対象とした内部監査の推進を支援

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