消費者の成熟化に伴い消費活動における価値観は多様化し、サービス利用時の体験が重視されるようになっています。このような環境のなかで企業は、顧客ニーズを捉え、顧客一人ひとりに感動を与え続けることができるサービスの提供が求められます。KPMGは、ISO/TS 24082:2021(卓越した顧客体験を実現するためのエクセレントサービスの設計)に基づき、企業が目指すべきサービスの全体像や施策の策定、及び持続的高度化に向けた組織能力の強化を支援します。
CX(顧客体験)高度化の必要性
昨今、特定の業界に限らずさまざまな業界において、消費者はサービスを利用することで得られる体験を重視する傾向にあり、その価値観は変わってきています。このような価値観の変化に対応するために、顧客ごとに個別化され、かつ顧客にとって驚きのあるサービス(=エクセレントサービス)を提供することが不可欠になります。サービスを提供する企業は、機能・感情の両面において顧客ニーズを的確に捉えたうえで、エクセレントサービスが提供可能な組織能力(=サービスエクセレンス)を確立し、継続的に向上を図りながら維持・運用していく必要があります。
エクセレントサービス実現に向けた設計活動
エクセレントサービスの実現に向けて、ISO(International Organization for Standardization)から発行された国際規格ISO/TS 24082:2021において、5つの活動(図表内A~E) から構成されたDfES(Design for Excellent Service:エクセレントサービスのための設計)が定義されています。5つの活動は、入出力の相互関係はありますが、決められた開始点や順序はありません。現状のサービスにおける課題や分析結果に基づいて必要な活動を見極め、計画を策定したうえでDfES活動を開始します。また、設計結果を反映したサービスが実際に使用されると、新たな評価活動のインプットとなるフィールドデータが生成されます。評価結果に基づき適切な活動に戻り反復することで、継続的なサービスの高度化が実現できます。
エクセレントサービスの企画・立案・設計のアプローチ
ISO/TS 24082:2021をベースにKPMGがカスタマイズしたアプローチにより、エクセレントサービスの提供と持続的な高度化の実現を目指します。
計画フェーズでは、エクセレントサービスを実現するための基本的な考え方となる方針を決定し、各プロセスの実施要否を判断したうえで実行計画を策定します。設計フェーズでは、策定した方針及び計画に従い、一連のプロセスを実行します。
1.組織全体のサービス戦略を実現するための方針、及び設計フェーズで実施するプロセスを決定したうえで、具体的な実行計画を策定します。 2.セグメンテーション評価等を用いてターゲット顧客を明確化し、ペルソナやカスタマージャーニー等を可視化することにより、顧客に対する理解を深めます。 3.顧客にとっての課題解決や価値を、顧客と共創する環境を設計し、顧客とサービス提供者の双方の視点から独自の顧客体験価値を明確化します。 4.目指すべきカスタマージャーニー等を策定してサービスの全体像を明確化し、KPMGのアセットを活用して、複数の顧客接点に跨って卓越した顧客体験を提供するための業務モデルや具体的な施策へと落し込みます。 5.策定したサービス案と施策についてプロトタイピング等のシミュレーションを実施し、顧客、組織・システム能力、及び持続可能性の観点から評価します。 6.サービスを実際に提供することで得られるフィールドデータを用いた評価方法・基準を策定し、評価に基づいて継続的に改善する枠組みを定義します。これらにより、企業が自社で持続的なサービス高度化を実現するために強化する必要がある組織能力を明確化します。 |
KPMGによる支援
KPMGは、CX高度化に関する幅広いナレッジとアセット及び豊富な経験により、企業の多様な課題や状況に応じて、エクセレントサービスの実現やその高度化のための組織能力の強化に向けた取組みを支援します。
支援例 | 適用ケース | 取組み概要 |
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計画策定から施策実行までの全体的な支援 |
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持続的なサービス向上の仕組み構築 |
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高度化に向けた追加施策検討 |
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